古典和歌stream

万葉集

道の辺の尾花が下の思ひ草
今さらさらに何をか思はむ

道のほとりのすすきの下に生える思い草のように、今さら改めて何を思い悩むことがあろうか。

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万葉集

草深みこほろぎさはに鳴くやどの
萩見に君はいつか来まさむ

草が深いのでこおろぎがたくさん鳴いている我が家の萩を見に、あなたはいつおいでになるのだろう。

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万葉集

秋づけば水草の花のあえぬがに
思へど知らじ直に逢はざれば

秋めいてくると水草の花がこぼれ落ちてしまいそうなほどに、私は思い悩んでいるけれども、あの人は知らないだろう。直接逢っていないのだから。

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万葉集

何すとか君をいとはむ秋萩の
その初花の嬉しきものを

どうしてあなたを嫌うことがあろうか。秋萩のその初花のように、うれしいものなのに。

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万葉集

臥いまろび恋ひは死ぬともいちしろく
色には出でじ朝顔の花

転げ回って恋い死にしようとも、朝顔の花のようにはっきりと顔色には出すまい。

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万葉集

言に出でて云はばゆゆしみ朝顔の
穂には咲き出ぬ恋もするかも

言葉に出して言うのは恐れ多いので、朝顔の花のようには表に咲き出ることのない恋をしていることだ。

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万葉集

雁がねの初声聞きて咲き出たる
宿の秋萩見に来我が背子

雁の初声を聞いて咲き出した我が家の秋萩を、見に来てください、あなた。

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万葉集

さを鹿の入野のすすき初尾花
いづれの時か妹が手まかむ

入野のすすきの初穂のように初々しい恋人の手を、いつになったら枕にすることができるだろうか。

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万葉集

恋ふる日の日長くしあればみ園生の
韓藍の花の色に出でにけり

恋い慕う日々が長く続いたので、庭の韓藍の花のように、思いが表に出てしまったことだ。

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万葉集

我が里に今咲く花のをみなへし
堪へぬ心になほ恋ひにけり

私の里に今咲いている花の女郎花のように、こらえきれない心で、やはり恋しく思ってしまったことだ。

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万葉集

萩の花咲けるを見れば君に逢はず
まことも久になりにけるかも

萩の花が咲いているのを見ると、あなたに逢わずに、本当に久しくなってしまったことだ。

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万葉集

朝露に咲きすさびたる月草の
日くたつなへに消ぬべく思ほゆ

朝露の中で咲き誇っている月草が、日が傾くにつれてしぼんでいくように、私も消え入りそうに思われる。

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万葉集

長き夜を君に恋ひつつ生けらずは
咲きて散りにし花ならましを

長い夜をあなたに恋い続けて生きているよりは、咲いて散ってしまった花であればよかったのに。

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万葉集

我妹子に逢坂山のはだすすき
穂には咲き出ず恋ひわたるかも

愛しい妻に逢うという名の逢坂山のすすきのように、表に穂を出さずに恋い続けることだ。

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万葉集

いささめに今も見が欲し秋萩の
しなひにあるらむ妹が姿を

ほんのちょっとでも今すぐ見たい。秋萩のしなやかさのようであろう恋人の姿を。

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万葉集

秋萩の花野のすすき穂には出でず
我が恋ひわたる隠り妻はも

秋萩の咲く花野のすすきが穂を出さないように、表に出さずに私が恋い続けている、人目を忍ぶ妻よ。

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