古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

住吉の岸の白浪よるよるは
海人のよそ目に見るぞ悲しき

住吉の岸に白浪が寄せるように、夜ごとにあなたのもとへ近づきながら、海人がよそ目に見るように、遠くから見るばかりなのが悲しい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

君恋ふと濡れにし袖の乾かぬは
おもひの外にあればなりけり

あなたを恋しく思って濡れてしまった袖が乾かないのは、思いの火が袖の外にあって、思いのほかのことであったからなのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

逢はざりし時いかなりしものとてか
ただ今の間も見ねば恋しき

逢わなかった時は、いったいどうしていたのだろうか。今は、ほんのわずかの間も逢わないと恋しいのに。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

世の中に忍ぶる恋のわびしきは
逢ひてののちの逢はぬなりけり

世の中で、人目を忍ぶ恋のつらいことは、逢ってからのちに逢えないことであったのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

恋をのみ常にするがの山なれば
ふじのねにのみ泣かぬ日はなし

恋ばかりをいつもする駿河の山なので、富士の嶺ではないが、声をあげて泣かない日はない。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

君によりわが身ぞつらき玉垂れの
みずは恋しと思はましやは

あなたのせいで、わが身がつらい。簾越しにでもあなたを見なかったならば、恋しいと思うことがあっただろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

今ぞ知る飽かぬ別れの暁は
君をこひぢに濡るるものとは

今こそ知った。名残の尽きない別れの暁は、あなたを恋う恋路のぬかるみに濡れるものだとは。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

よそに降る雨とこそ聞けおぼつかな
何をか人のこひぢと言ふらん

よそに降る雨だと聞いている。はっきりしないことだ。何をあなたは恋路のぬかるみと言うのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

絶え果つるものとは見つつささがにの
糸を頼める心細さよ

すっかり絶えてしまうものだとはわかっていながら、蜘蛛の糸のように細い縁を頼みにしている心細さよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

うち渡し長き心は八橋の
蜘蛛手に思ふことは絶えせじ

橋をかけ渡すように長く続く私の心は、八橋の蜘蛛手のようにあれこれと思い乱れることはあっても、絶えることはないだろう。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

思ふ人思はぬ人の思ふ人
思はざらなん思ひ知るべく

私が恋い慕っているのに私を思ってくれないあなた、そのあなたが思っている人よ、どうかあなたを思わないでほしい。あなたが片思いのつらさを思い知るように。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

木枯らしの森の下草風早み
人のなげきは生ひ添ひにけり

木枯らしの森の下草が、風が激しいのに伸びていくように、あなたの嘆きは、いよいよ生い茂ってしまったことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

別れをば悲しきものと聞きしかど
うしろやすくも思ほゆるかな

別れは悲しいものだと聞いていたけれど、あとの気がかりもなく、安らかに思われることだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

泣きたむる袂凍れる今朝見れば
心解けても君を思はず

泣いてためた涙で袂が凍っている今朝の様子を見ると、心が打ち解けてあなたを思うこともない。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

身を分けてあらまほしくぞ思ほゆる
人は苦しと言ひけるものを

身を二つに分けていたいと思われる。人はそれを苦しいことだと言ったのに。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

雲居にて人を恋しと思ふかな
我は葦辺の鶴ならなくに

雲の上のはるかな所で、人を恋しく思うことだ。私は葦辺の鶴ではないのに。

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