古典和歌stream

後撰和歌集 - 藤原時平

ころを経て逢ひ見ぬ時は白玉の
涙も春は色まさりけり

長いあいだ逢わずにいる時は、白玉のような涙も、春には色がまさって紅に染まることだ。

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後撰和歌集 - 伊勢

人恋ふる涙は春ぞぬるみける
絶えぬおもひのわかすなるべし

人を恋い慕う涙は、春にはぬるくなることだ。絶えない思いの火が、涙を沸かしているのにちがいない。

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後撰和歌集

つらしともいかが恨みん郭公
わが宿近く鳴く声はせで

薄情だと、どうして私を恨むことができよう。ほととぎすのようなあなたは、私の家の近くで鳴く声も立てないのに。

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後撰和歌集 - 敦慶親王

里ごとに鳴きこそ渡れ郭公
すみか定めぬ君尋ぬとて

里ごとに鳴いて渡り歩いているのだ、ほととぎすは。住みかを定めないあなたを尋ね求めるといって。

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後撰和歌集 - 春道列樹

数ならぬみ山隠れの郭公
人知れぬ音をなきつつぞ経る

物の数にも入らない、山奥に隠れたほととぎすのように、私は人知れず声をあげて泣きながら日を送っている。

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後撰和歌集 - 是忠親王

逢ふことのかた糸ぞとは知りながら
玉の緒ばかり何によりけん

逢うことは難しい片糸だとは知りながら、玉の緒、つまり命ばかりを、どうして縒り合わせてあなたに寄せたのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

思ふとは言ふものからにともすれば
忘るる草の花にやはあらぬ

思っているとは言うものの、ややもすれば、忘れるという名の草の花ではないのか。

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後撰和歌集

植ゑて見る我は忘れであだ人に
まづ忘らるる花にぞありける

植えて眺める私は忘れることなどなく、かえって不実な人に、まず忘れられてしまう花であったのだ。

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後撰和歌集 - 土佐

浦わかずみるめ刈るてふ海人の身は
何かなにはの方へしも行く

どの浦でも分けへだてなく海松布を刈る、つまり誰とでも逢うという海人の身なのに、どうしてわざわざ難波のほうへ行くのか。

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後撰和歌集 - 平定文

君を思ふ深さくらべに津の国の
堀江見に行く我にやはあらぬ

あなたを思う心の深さと比べようとして、摂津の国の堀江の深さを見に行く私ではないか。

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後撰和歌集 - 伊勢

いかでかく心ひとつをふたしへに
憂くもつらくもなして見すらん

どうしてこのように、私のひとつの心を二重にして、憂いものにもつらいものにもしてみせるのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

ともすれば玉にくらべしますかがみ
人の宝と見るぞ悲しき

何かにつけて宝玉にも比べた澄んだ鏡が、今は他人の宝となっているのを見るのは悲しいことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

岩瀬山谷の下水うち忍び
人の見ぬ間は流れてぞ経る

岩瀬山の谷の下を流れる水のように、ひそかに忍んで、人の見ていない間は、涙を流して日を送っている。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

うれしげに君が頼めし言の葉は
かたみに汲める水にぞありける

うれしそうにあなたが頼みにさせた言葉は、目の粗い竹かごで汲んだ水のように、漏れてしまうはかないものであったのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

行きやらぬ夢路にまどふたもとには
天つ空なき露ぞ置きける

行き着くことのできない夢の通い路に迷う袂には、空から降ったのではない露、すなわち涙が置いていることだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

身は早く奈良の都となりにしを
恋しきことのまだも古りぬか

わが身はとうに、古びた奈良の都のようになってしまったのに、恋しく思う気持ちは、まだ古びないのだろうか。

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