古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

秋の田のいねてふ事をかけしかば
思ひ出づるがうれしげもなし

秋の田の「稲」ではないが、「往ね(去れ)」という言葉をかけたのだから、今さら思い出してくれても、うれしくもない。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

人恋ふる心ばかりはそれながら
我は我にもあらぬなりけり

人を恋い慕う心だけは元のままでありながら、私は私自身でもなくなってしまったのだ。

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後撰和歌集 - 伊勢

思ひ川絶えず流るる水の泡の
うたかた人に逢はで消えめや

思い川を絶えず流れる水の泡のように、かりそめにもあなたに逢わないままで、消えてしまうことがあろうか。

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後撰和歌集 - 三統公忠

思ひやる心は常に通へども
逢坂の関越えずもあるかな

あなたを思いやる心はいつも通っていくけれども、逢うという名をもつ逢坂の関を、越えられないでいることよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

消え果てて止みぬばかりか年を経て
君をおもひのしるしなければ

火が消えるように、すっかり消え果てて終わってしまうばかりなのだろうか。年月を経てあなたを思い続けてきても、その思いの火のかいがないので。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

おもひだにしるしなしてふ我が身にぞ
逢はぬなげきの数はもえける

思いの火さえかいがないとあなたは言うが、わが身にこそ、逢えない嘆きの投げ木が数多く燃えていることだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

干しがてに濡れぬべきかな唐衣
乾くたもとの世々になければ

干すこともできずに、濡れてしまうにちがいない。この唐衣は、乾く袂が、いつの世にもないのだから。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

世とともにあふくま川の遠ければ
底なる影を見ぬぞわびしき

いつまでも、逢うという名の阿武隈川は遠いので、その水底に映る姿を見られないのがつらい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

わがごとく相思ふ人のなき時は
深き心もかひなかりけり

私と同じように思い返してくれる人がいない時は、深い心もかいのないものであったよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

いつしかとわがまつ山に今はとて
越ゆなる浪に濡るる袖かな

早く来てほしいと私が待っていたのに、その末の松山を、今はもうこれまでと波が越えるように、あの人が心変わりしたと聞いて、涙に濡れる袖であることよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

人ごとはまことなりけり下紐の
解けぬにしるき心と思へば

人のうわさは本当であったよ。下紐が解けないことにはっきりとあらわれている、あなたの心だと思うと。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

結びおきしわが下紐の今までに
解けぬは人の恋ひぬなりけり

結んでおいた私の下紐が、今まで解けないのは、あの人が恋しく思っていないからであったのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

ほかの瀬は深くなるらしあすか川
昨日の淵ぞ我が身なりける

ほかの浅瀬は深くなるらしい。昨日は淵だったのに今日は瀬になるという飛鳥川の、その昨日の淵こそが私の身であったのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

淵瀬ともいさやしら浪立ち騒ぐ
我が身ひとつは寄る方もなし

どこが淵でどこが瀬かとも、さあ私は知らない。白波が立ち騒ぐように心乱れる私の身ひとつは、寄るべきところもない。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

光待つ露に心を置ける身は
消えかへりつつ世をぞ恨むる

日の光を待つ露のように、はかないものに心を寄せている身は、消え入るような思いを繰り返しながら、二人の仲を恨むことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

潮満たぬ海と聞けばや世とともに
みるめなくして年の経ぬらん

潮の満ちない海、つまり淡海と聞くからだろうか。いつまでも海松布が生えないように、逢う機会もないまま年が過ぎてしまうのだろう。

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