- 表題
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- 後撰和歌集
後撰和歌集 - よみ人しらず
秋の田のいねてふ事をかけしかば
思ひ出づるがうれしげもなし
秋の田の「稲」ではないが、「往ね(去れ)」という言葉をかけたのだから、今さら思い出してくれても、うれしくもない。
後撰和歌集 - よみ人しらず
消え果てて止みぬばかりか年を経て
君をおもひのしるしなければ
火が消えるように、すっかり消え果てて終わってしまうばかりなのだろうか。年月を経てあなたを思い続けてきても、その思いの火のかいがないので。
後撰和歌集 - よみ人しらず
いつしかとわがまつ山に今はとて
越ゆなる浪に濡るる袖かな
早く来てほしいと私が待っていたのに、その末の松山を、今はもうこれまでと波が越えるように、あの人が心変わりしたと聞いて、涙に濡れる袖であることよ。
後撰和歌集 - よみ人しらず
ほかの瀬は深くなるらしあすか川
昨日の淵ぞ我が身なりける
ほかの浅瀬は深くなるらしい。昨日は淵だったのに今日は瀬になるという飛鳥川の、その昨日の淵こそが私の身であったのだ。
後撰和歌集 - よみ人しらず
光待つ露に心を置ける身は
消えかへりつつ世をぞ恨むる
日の光を待つ露のように、はかないものに心を寄せている身は、消え入るような思いを繰り返しながら、二人の仲を恨むことだ。
後撰和歌集 - よみ人しらず
潮満たぬ海と聞けばや世とともに
みるめなくして年の経ぬらん
潮の満ちない海、つまり淡海と聞くからだろうか。いつまでも海松布が生えないように、逢う機会もないまま年が過ぎてしまうのだろう。