古典和歌stream

後撰和歌集 - 孚子内親王

唐衣きて帰りにしさ夜すがら
あはれと思ふを恨むらんはた

来てくださったのに、そのまま帰ってしまわれたあの夜通し、私はしみじみといとしく思っていたのに、あなたはやはり恨んでいるのだろうか。

詳細を見る

後撰和歌集 - 紀乳母

影だにも見えずなりゆく山の井は
浅きよりまた水や絶えにし

姿さえ映らなくなっていく山の井は、もともと浅かったうえに、さらに水まで絶えてしまったのだろうか。

詳細を見る

後撰和歌集 - 平定文

浅してふことをゆゆしみ山の井は
掘りし濁りに影は見えぬぞ

浅いと言われることを忌まわしく思って、山の井を深く掘ったので、その濁りのために、姿が映って見えないのだ。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

幾度か生田の浦に立ち帰り
浪に我が身をうち濡らすらん

幾度、生田の浦に立ち帰っては、波にわが身を濡らすのだろうか。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

立ち帰り濡れては干ぬる潮なれば
生田の浦のさがとこそ見れ

寄せては返し、濡れてはまた乾く潮なのだから、それは生田の浦のならいだと見ることだ。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

逢ふことはいとど雲居の大空に
立つ名のみして止みぬばかりか

逢うことは、いよいよ雲のかかる遠い大空のように遠くなって、浮き名ばかりが立って、そのまま終わってしまうのだろうか。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

よそながら止まんともせず逢ふことは
今こそ雲の絶え間なるらめ

よそよそしいまま終わらせようとも思わない。逢うことは、今こそ雲の切れ間のように、その折があるのだろう。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

今のみと頼むなれども白雲の
絶え間はいつかあらんとすらん

今こそはと頼みにしているけれども、白雲の切れ間は、いったいいつあるというのだろうか。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

小止みせず雨さへ降れば沢水の
まさるらんとも思ほゆるかな

少しもやまずに雨までも降るので、沢の水が増すように、私の涙も恋しさも増していくのだろうと思われることだ。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

夢にだに見ることぞなき年を経て
心のどかに寝る夜なければ

夢にさえあの人を見ることがない。何年もたつあいだ、心穏やかに寝る夜がないので。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

見初めずてあらましものを唐衣
たつ名のみして着る夜なきかな

見初めないでいればよかったのに。唐衣を裁つように浮き名ばかりが立って、その衣を着て共に寝る夜もないことよ。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

かれ果つる花の心はつらからで
時過ぎにける身をぞ恨むる

枯れ果てていく花のように離れていくあなたの心は恨めしくなく、盛りの時が過ぎてしまったわが身を恨むことだ。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

あだにこそ散ると見るらめ君にみな
うつろひにたる花の心を

あなたは、はかなく散ってしまったと見ているのでしょうが、すべてあなたのほうへ移ってしまった花の心であるのに。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

来んと言ひし月日を過ぐす姨捨の
山の端つらきものにぞありける

来ようと言った月日を過ぎてしまうあなたは、月を隠す姨捨山の山の端のように、つらく恨めしいものであったよ。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

月日をも数へけるかな君恋ふる
数をも知らぬ我が身何なり

月日までも数えていたのですね。あなたを恋しく思う回数も数えきれない私の身は、いったい何なのだろう。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

木の芽はる春の山田をうち返し
思ひ止みにし人ぞ恋しき

木の芽がふくらむ春の山田を鋤き返すように、繰り返し、思いあきらめたはずの人が恋しい。

詳細を見る