古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

人知れず思ふ心は大島の
なるとはなしに嘆くころかな

人知れず思う心は、大島の鳴門のように音を立てて人に知られることはないまま、ひとり嘆くこのごろであることよ。

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後撰和歌集 - 中務

はかなくて同じ心になりにしを
思ふがごとは思ふらんやぞ

いつのまにか、たよりなくも同じ心になってしまったけれど、私が思うのと同じように、あなたも思っているのだろうか。

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後撰和歌集 - 源信明

わびしさを同じ心と聞くからに
我が身を捨てて君ぞ悲しき

つらさをあなたも同じ心で感じていると聞くとすぐに、わが身のことはさておいて、あなたがいとしくてならない。

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後撰和歌集 - 源信明

定めなくあだに散りぬる花よりは
常磐の松の色をやは見ぬ

定めなく、はかなく散ってしまう花よりは、いつも変わらぬ常磐の松の色を、どうして見ないのか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

すみよしの我が身なりせば年経とも
松より外の色を見ましや

私が住みよい住吉のような身であったならば、何年たっても、松よりほかの色を見たりしようか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

現にもはかなきことのあやしきは
寝なくに夢の見ゆるなりけり

現実にも、はかないことで不思議なのは、寝てもいないのに夢が見えることであったのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

白浪のよるよる岸に立ち寄りて
ねも見しものをすみよしの松

白浪が夜ごとに岸へ寄せるように、夜ごとにあなたのもとに立ち寄って、住吉の松の根を見るように、共寝もしたのに。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

長らへてあらぬまでにも言の葉の
深きはいかにあはれなりけり

生きながらえていられないほどになっても、言葉の深いのは、なんとしみじみと身にしみることであったのだろう。

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後撰和歌集 - 藤原忠房

人を見て思ふ思ひもあるものを
空に恋ふるぞはかなかりける

実際に相手を見て思いを寄せる恋もあるというのに、まだ見もしないで当てもなく恋い慕うのは、なんとはかないことだ。

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後撰和歌集 - 壬生忠岑

ひとりのみ思へば苦しいかにして
同じ心に人を教へむ

自分ひとりだけで思っていると苦しい。どうにかして、私と同じ心になるようにあの人に教えたいものだ。

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後撰和歌集 - 紀友則

我が心いつ習ひてか見ぬ人を
思ひやりつつ恋しかるらん

私の心は、いつそんなことを覚えたのだろうか。まだ見たこともない人を思いやりながら、恋しく思っているのは。

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後撰和歌集 - 源中正

葉を若みほにこそ出でね花すすき
下の心に結ばざらめや

葉が若いので穂にはまだ出ていない花すすきのように、年若いあなたは思いを表に出さないけれど、心の奥では私と思いを結ばずにいることがあろうか。

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後撰和歌集 - 兼覧王

あしひきの山下茂く這ふ葛の
尋ねて恋ふる我と知らずや

山の麓に茂って這う葛の蔓をたどるように、あなたを尋ね求めて恋い慕っている私だと、あなたは知らないのか。

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後撰和歌集 - 藤原忠房

隠れ沼に忍びわびぬる我が身かな
井手の蛙となりやしなまし

草に隠れた沼にひそむように、思いを忍びきれずに苦しんでいる我が身であることよ。いっそ井手の蛙となって、声に出して鳴いてしまおうか。

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後撰和歌集 - 藤原輔文

あふくまの霧とはなしに夜もすがら
たちわたりつつよをも経るかな

阿武隈川に立ちこめる霧というわけでもないのに、一晩中あなたの部屋のあたりに立ち続けながら、逢えないまま夜を明かし、月日を過ごしていることだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

あやしくも厭ふにはゆる心かな
いかにしてかは思ひ止むべき

不思議なことに、嫌われるほどかえって燃え立つ心であることよ。いったいどのようにして、この思いを止めればよいのだろうか。

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