古典和歌stream

千載和歌集 - 源俊頼

難波江の藻に埋もるる玉柏
あらはれてだに人を恋ひばや

難波江の藻に埋もれている玉柏のように人知れず思うのではなく、せめて表に現れてでも、あの人を恋したいものだ。

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千載和歌集 - 肥後

まだ知らぬ人を初めて恋ふるかな
思ふ心よ道しるべせよ

まだ逢ったこともない人を、初めて恋することだ。思う心よ、あの人のもとへの道案内をしてくれ。

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千載和歌集 - 河内

わりなしや思ふ心の色ならば
これぞそれとも言はましものを

どうにもならないことだ。思う心に色があるならば、これこそがその思いだとも言えるだろうに。

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千載和歌集 - 筑前

思ふよりいつしか濡るるたもとかな
涙ぞ恋のしるべなりける

人を思い始めるやいなや、早くも濡れる袂であることよ。涙こそが恋の道案内であったのだ。

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千載和歌集 - 藤原長能

藻屑火の磯間を分くる漁り舟
ほのかなりしに思ひ初めてき

藻屑を焚く火をともして磯の間を分けて進む漁り舟の火のように、ほのかに見えただけのあなたを、思い初めてしまった。

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千載和歌集 - 輔仁親王

いかにせん思ひを人に染めながら
色に出でじと忍ぶ心を

どうしたらよいのだろう。思いをあの人に深く染めつけていながら、それを色には出すまいと忍んでいるこの心を。

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千載和歌集 - 藤原実能

一目見し人は誰ともしら雲の
上の空なる恋もするかな

ひと目見ただけの人は誰とも知らないまま、白雲が浮かぶ空のように、うわの空の恋をすることだ。

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千載和歌集 - 源雅定

包めども涙に袖のあらはれて
恋すと人に知られぬるかな

包み隠していても、涙で濡れた袖によって恋心が表に現れ、恋をしていると人に知られてしまったことだ。

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千載和歌集 - 藤原成通

包めども堪へぬ思ひになりぬれば
問はず語りのせまほしきかな

包み隠していても、もはや堪えきれない思いになってしまったので、人に問われもしないのに自分から語り出したくなることだ。

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千載和歌集 - 藤原公能

大方の恋する人に聞き馴れて
世の常のとや君思ふらん

世間一般の恋をする人の言葉を聞き慣れているので、私の思いも世のありふれた恋だと、あなたは思っているのだろうか。

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千載和歌集 - 藤原顕輔

思へどもいはでの山に年を経て
朽ちや果てなん谷の埋もれ木

思っていても口に出して言わずにいるので、いはでの山の谷に埋もれた木のように、年を経て朽ち果ててしまうのだろうか。

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千載和歌集 - 藤原顕輔

高砂の尾上の松に吹く風の
音にのみやは聞きわたるべき

高砂の峰の上の松に吹く風の音のように、あの人のことを噂にばかり聞き続けていてよいものだろうか。

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千載和歌集 - 待賢門院堀河

荒磯の岩に砕くる波なれや
つれなき人にかくる心は

荒磯の岩に打ち寄せては砕ける波なのだろうか。つれない人に寄せる私の心は。

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千載和歌集 - 上西門院兵衛

岩間ゆく山の下水せきわびて
漏らす心のほどを知らなん

岩の間を流れる山の下水のように、せき止めかねて思いを漏らしてしまう、この心の深さを知ってほしい。

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千載和歌集 - 藤原基俊

水籠りに言はでふる屋の忍ぶ草
しのぶとだにも知らせてしかな

心に秘めたまま口に出さずに年を経てきた、古い家の軒に生える忍ぶ草のように、せめて忍んでいるということだけでも、あの人に知らせたいものだ。

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千載和歌集 - 藤原長能

思ふこと岩間に蒔きし松の種
千代と契らむ今はねさせよ

私の思いは、岩間に蒔いた松の種のようなものだ。千代までもと契ろう。今はもう根を下ろさせてほしい、共に寝させてほしい。

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