- 表題
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- 千載和歌集
千載和歌集 - 源俊頼
たちしよりはれずも物を思ふかな
なき名や野辺の霞なるらん
噂が立ってからというもの、心が晴れることもなく物思いをしていることだ。根も葉もない浮き名は、立ちこめて晴れない野辺の霞なのだろうか。
千載和歌集 - 寂然
陸奥のしのぶもぢずり忍びつつ
色には出でじ乱れもぞする
陸奥のしのぶもじずりの名のように、恋心を忍び続けて、決して色には出すまい。あの摺り衣の模様のように、心が乱れでもしたら困るから。
千載和歌集 - 藤原清輔
難波女のすくも焚く火の下焦がれ
上はつれなき我が身なりけり
難波の女が焚くすくもの火が、表には炎を見せず下でくすぶるように、心の中では恋い焦がれながら、表面は平然としている我が身であることだ。
千載和歌集 - 藤原頼輔
恋ひ死なば世のはかなきに言ひ置きて
なき跡までも人に知られじ
もし恋い死にしたなら、世の無常のために死んだのだと言い残しておいて、亡くなった後までも、恋のためとは人に知られまい。
千載和歌集 - よみ人しらず
いかにせむ御垣が原に摘む芹の
ねにのみ泣けど知る人のなき
どうしたらよいのだろう。御垣が原で摘む芹の根のように、声に出して泣いてばかりいるのに、この思いを知る人もいない。
千載和歌集 - 藤原清輔
涙川うき寝の鳥となりぬれど
人にはえこそみなれざりけれ
涙の川に浮き寝する水鳥のように、憂いのうちに独り寝をする身となったが、水に馴れる鳥とは違って、あの人には見馴れることもできないでいる。
千載和歌集 - 源通能
我が恋は尾花吹き越す秋風の
音には立てじ身にはしむとも
私の恋は、尾花の上を吹き越していく秋風のようなものだ。身にしみるほど切なくとも、音を立てて人に知られるようなことはすまい。