古典和歌stream

万葉集 - 大伴家持

忘れ草我が下紐に付けたれど
醜の醜草言にしありけり

忘れ草を私の下紐に付けたけれど、このろくでもない草は、名ばかりで少しも役に立たなかった。

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万葉集 - 大伴家持

人もなき国もあらぬか我妹子と
たづさはり行きて副ひて居らむ

人のいない国がないものか。いとしいあの人と手を取り合って行き、寄り添っていたい。

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万葉集 - 大伴坂上大嬢

玉ならば手にも巻かむをうつせみの
世の人なれば手に巻きかたし

あなたが玉であるならば手にも巻きつけていようものを、この世の人であるので、手に巻いておくことはむずかしい。

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万葉集 - 大伴坂上大嬢

逢はむ夜はいつもあらむを何すとか
その宵逢ひて言の繁きも

逢う夜はいつでもあるだろうに、どうしてあの夜に逢って、こんなに噂がうるさいのだろう。

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万葉集 - 大伴坂上大嬢

我が名はも千名の五百名に立ちぬとも
君が名立たば惜しみこそ泣け

私の評判は、千回も五百回も立ってしまってもかまわない。けれどもあなたの評判が立ったならば、惜しんで泣くことだろう。

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万葉集 - 大伴家持

今しはし名の惜しけくも我れはなし
妹によりては千たび立つとも

今はもう、名が惜しいということも私にはない。あなたのためならば、千回噂が立ったとしても。

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万葉集 - 大伴家持

うつせみの世やも二行く何すとか
妹に逢はずて我がひとり寝む

この世は二度とめぐって来るものだろうか。どうしてあなたに逢わずに、私はひとりで寝ることがあろう。

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万葉集 - 大伴家持

我が思ひかくてあらずは玉にもが
まことも妹が手に巻かれなむ

私の思いがこのように苦しいままでいるよりは、いっそ玉であればよい。そうすれば本当にあなたの手に巻かれるだろう。

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万葉集 - 大伴坂上大嬢

春日山霞たなびき心ぐく
照れる月夜にひとりかも寝む

春日山に霞がたなびいて、心が晴れないほどにおぼろに照る月夜に、ひとりで寝ることになるのだろうか。

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万葉集 - 大伴家持

月夜には門に出で立ち夕占問ひ
足占をぞせし行かまくを欲り

月夜には門に出て立ち、夕占を問い、足占までしたのだ。あなたのもとへ行きたいと思って。

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万葉集 - 大伴坂上大嬢

かにかくに人は言ふとも若狭道の
後瀬の山の後も逢はむ君

あれこれと人は言っても、若狭路の後瀬の山の名のように、後にでも逢おう、あなた。

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万葉集 - 大伴坂上大嬢

世の中の苦しきものにありけらし
恋にあへずて死ぬべき思へば

恋というものは、世の中で最も苦しいものであるらしい。恋に耐えきれずに死んでしまいそうなことを思うと。

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万葉集 - 大伴家持

後瀬山後も逢はむと思へこそ
死ぬべきものを今日までも生けれ

後瀬山の名のように、後にでも逢おうと思うからこそ、死んでしまいそうなのに、今日まで生きているのだ。

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万葉集 - 大伴家持

言のみを後も逢はむとねもころに
我れを頼めて逢はざらむかも

言葉だけで後にでも逢おうと心を込めて私に頼みに思わせておいて、逢わないつもりなのだろうか。

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万葉集 - 大伴家持

夢の逢ひは苦しかりけりおどろきて
掻き探れども手にも触れねば

夢の中での逢瀬は苦しいものだ。目が覚めて手探りしても、手にも触れないのだから。

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万葉集 - 大伴家持

一重のみ妹が結ばむ帯をすら
三重結ぶべく我が身はなりぬ

一重だけあの人が結ぶ帯でさえ、三重に巻いて結べるほどに、私の身はやせ細ってしまった。

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