古典和歌stream

千載和歌集 - 源有仁

はかなくも人に心を尽くすかな
身のためにこそ思ひ初めしか

むなしいことに、あの人のために心を尽くしていることだ。自分の身のためにこそ、恋しく思いはじめたのだが。

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千載和歌集 - 大弐

恋ひ初めし人はかくこそつれなけれ
我が涙しも色変はるらん

恋しはじめた人は、このようにつれないままで少しも変わらないのに、どうして私の涙のほうが色を変えるのだろう。

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千載和歌集 - 源雅兼

かかりける涙と人も見るばかり
しぼらじ袖よ朽ち果てねただ

これほどの涙であったのだと、あの人にもわかるほどになるまで、袖よ、私はお前を絞るまい。いっそのこと朽ち果ててしまえ。

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千載和歌集 - 源俊頼

憂かりける人を初瀬の山おろしよ
はげしかれとは祈らぬものを

つれなかったあの人を、私になびくようにと初瀬の観音に祈りはしたが、初瀬の山おろしよ、お前のように、あの人のつれなさがいっそう激しくなれとは祈らなかったのに。

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千載和歌集 - 藤原顕季

嬉しくは後の心を神も聞け
引く標縄の絶えじとぞ思ふ

恋がかなって嬉しい思いをさせてくださるならば、その後の私の心を神もお聞きください。引き張った注連縄が切れないように、この契りは決して絶えさせまいと思っている。

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千載和歌集 - 藤原顕仲

結び置くふしみの里の草枕
解けでやみぬる旅にもあるかな

伏見の里で結んでおいた旅の草枕が、ともに臥しながらも、その結び目が解けることのないまま終わってしまう旅であることよ。

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千載和歌集 - 藤原俊忠

恋ひ恋ひてかひもなぎさに沖つ波
寄せてはやがて立ち返れとや

恋し続けたかいもなく、渚に寄せる沖の波が寄せてはすぐに引き返すように、あなたのもとに来てはすぐに帰れというのか。

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千載和歌集 - 藤原実能

いかで我つれなき人に身を変へて
恋しきほどを思ひ知らせん

なんとかして私はつれないあの人と身を取り替えて、私がどれほど恋しく思っているかを、あの人に思い知らせたいものだ。

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千載和歌集 - 源雅光

玉藻刈る野島の浦の海人だにも
いとかく袖は濡るるものかは

美しい藻を刈る野島の浦の海人でさえ、これほどひどく袖が濡れるものだろうか。いや、濡れはしない。

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千載和歌集 - 藤原重基

逢ふことをその年月と契らねば
命や恋の限りなるらん

逢うことを、いつの年いつの月と約束したわけではないので、私の命が尽きる時が、この恋の終わりとなるのだろうか。

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千載和歌集 - 藤原宗兼

恋ひわたる涙の川に身を投げん
この世ならでも逢ふ瀬ありやと

恋し続けて流す涙の川に身を投げよう。この世ではなくとも、あの世で逢う瀬があるかと思って。

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千載和歌集 - 藤原親隆

陸奥の十綱の橋に繰る綱の
絶えずも人に言ひわたるかな

陸奥の十綱の橋で繰る綱が絶えないように、絶えることなく、あの人に思いを言い続けていることだ。

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千載和歌集 - 後白河院

恋ひわたる今日の涙に比ぶれば
昨日の袖は濡れしものかは

恋し続けている今日流す涙に比べれば、昨日の袖は濡れていたといえるだろうか。いや、濡れてなどいなかった。

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千載和歌集 - 藤原実定

朝まだき露をさながらささめ刈る
賤が袖だにかくは濡れじを

朝まだ早いうちに、露のついたままのささめを刈る身分の低い者の袖でさえ、これほどには濡れないだろうに。

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千載和歌集 - 藤原実国

潮垂るる伊勢をの海人や我ならん
さらばみるめを刈るよしもがな

潮に濡れてしずくを垂らす伊勢の海人とは、涙に濡れる私のことなのだろうか。そうであるならば、海松布を刈るように、あの人に逢う機会を得る手立てがあればよいのに。

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千載和歌集 - 藤原実家

よしさらば逢ふと見つるに慰まん
覚むる現も夢ならぬかは

ええ、それならば、夢であの人に逢ったと見たことで心を慰めよう。夢から覚めたこの現実も、夢でないといえようか。いや、現実もまた夢なのだ。

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