古典和歌stream

千載和歌集 - 顕昭

つれなさに今は思ひも絶えなまし
この世一つの契りなりせば

あの人のつれなさに、今はもう思いも断ち切ってしまうだろうに。もしこの恋がこの世一つだけの因縁であったならば。

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千載和歌集 - 源慶

うたた寝の夢に逢ひ見て後よりは
人も頼めぬ暮れぞ待たるる

うたた寝の夢であの人に逢ってからというもの、あの人が来ると約束したわけでもない夕暮れが、自然と待たれることだ。

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千載和歌集 - 朝恵

あはれとも枕ばかりや思ふらむ
涙絶えせぬ夜半の気色を

気の毒だと、枕だけは思ってくれているだろうか。涙の絶えることのない、夜更けの私のありさまを。

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千載和歌集 - 参川

衣手に落つる涙の色なくは
露とも人に言はましものを

袖に落ちる涙に紅の色がなかったならば、これは露なのだと人に言ってごまかせただろうに。

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千載和歌集 - 殷富門院大輔

思ふこと忍ぶにいとど添ふものは
数ならぬ身の嘆きなりけり

恋しく思うことを人に知られまいと忍んでいるうえに、いっそう加わってくるものは、物の数にも入らない我が身の嘆きであったことだ。

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千載和歌集 - 藤原兼実

行き返る心に人の馴るればや
逢ひ見ぬ先に恋しかるらん

あの人のもとへ行っては帰ってくる私の心に、あの人がすっかりなじんでしまったからだろうか。まだ逢ってもいないうちから、こんなにも恋しいのは。

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千載和歌集 - 藤原家通

逢ふことをさりともとのみ思ふかな
ふしみの里の名を頼みつつ

逢うことを、いくらなんでもいつかはかなうだろうとばかり思っていることだ。臥して見ると響く伏見の里の名を頼みにしながら。

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千載和歌集 - 二条院

などやかくさも暮れがたき大空ぞ
我が待つことはありと知らずや

どうしてこのように、こんなにも暮れにくい大空なのか。私に待つことがあるのを知らないのだろうか。

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千載和歌集 - 式子内親王

袖の色は人の問ふまでなりもせよ
深き思ひを君し頼まば

涙に染まった袖の色は、人が不審に思って尋ねるほどになってもかまわない。私の深い思いを、あなたが信じてくれるのならば。

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千載和歌集 - 藤原良経

秋は惜し契りは待たるとにかくに
心にかかる暮れの空かな

過ぎゆく秋は惜しく、約束の逢瀬は待たれる。どちらにしても、心にかかる暮秋の夕暮れの空であることよ。

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千載和歌集 - 藤原成家

恋をのみしぐるる空のうき雲は
曇りもあへず袖濡らしけり

恋の思いばかりを時雨のように降らせる空の、つらい浮き雲は、すっかり曇りきらないうちから、もう私の袖を濡らしてしまったことだ。

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千載和歌集 - 藤原家実

磯隠れかきはやれども藻塩草
立ち来る波に現れやせん

磯に隠れて藻塩草をかき集めるように、人目を忍んで手紙を書いて送りはしたけれども、藻塩草が寄せてくる波に洗われて現れるように、人に知られてしまいはしないだろうか。

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千載和歌集 - 藤原家隆

暮れにとも契りて誰か帰るらん
思ひ絶えたる曙の空

今夜の夕暮れにまた来ようと約束して、いったい誰が帰っていくのだろうか。私はもう思いを断ち切った、この夜明けの空のもとで。

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千載和歌集 - よみ人しらず

契り置くその言の葉に身を変へて
後の世にだに逢ひ見てしかな

あなたが約束しておいてくれたその言葉と引き替えに我が身を捨てて、せめて来世でだけでも逢いたいものだ。

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千載和歌集 - 尾張

誰ゆゑかあくがれにけん雲間より
見し月影はひとりならじを

あなたの心はいったい誰のためにさまよい出てしまったのだろう。雲の切れ間から見た月の光は、ひとりきりではなかったでしょうに。

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千載和歌集 - 藤原家基

越えやらで恋路に迷ふ逢坂や
世を出で果てぬ関となるらん

越えきれずに恋の道に迷っている逢坂の関は、私がこの世を出家して離れきれないようにする関所となるのだろうか。

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