- 表題
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- 千載和歌集
千載和歌集 - 西住
手枕の上に乱るる朝寝髪
下に解けずと人は知らじな
腕枕の上に乱れている朝寝の髪を見て、人は共寝をしたと思うだろうが、その下では心も下紐も解けないままだったとは、人は知らないだろうな。
千載和歌集 - 静賢
潮垂るる袖の干る間はありやとも
あはでの浦の海人に問はばや
潮に濡れてしずくを垂らす袖が乾く間はあるのかと、その名のとおり恋人に逢えずにいる、あはでの浦の海人に尋ねてみたいものだ。
千載和歌集 - 藤原隆信
我ゆゑの涙とこれをよそに見ば
あはれなるべき袖の上かな
自分のために流された涙だとして、あの人がこれを傍らから見たならば、きっと心を動かされるにちがいない、涙に濡れた私の袖の上であることよ。
千載和歌集 - 藤原範兼
妹があたり流るる川の瀬に寄らば
泡となりても消えんとぞ思ふ
恋しい人の住むあたりを流れる川の瀬に寄ることができるならば、たとえ水の泡となってでも、そこで消えてしまいたいと思う。
千載和歌集 - 寂蓮
思ひ寝の夢だに見えて明けぬれば
逢はでも鳥の音こそつらけれ
恋しく思いながら寝た夢に、せめてあの人が見えたのに、夜が明けてしまうと、実際には逢わなかったのに、夜明けを告げる鳥の声がつらく聞こえることだ。
千載和歌集 - 俊恵
いたづらにしをるる袖を朝露に
帰る袂と思はましかば
逢うこともなくむなしく涙に濡れしおれている私の袖を、恋人のもとから朝露の中を帰っていく人の袂だと思うことができたならば、どんなによいだろう。
千載和歌集 - 菅原是忠
恋ゆゑはさもあらぬ人ぞ恨めしき
我よそならば問はましものを
恋のためには、恋の相手でもない人までが恨めしい。もし私が関わりのない立場であったならば、恋に苦しむ人を見舞って言葉をかけるだろうに。