万葉集 - 藤原久須麻呂
奥山の岩陰に生える菅の根のように、心をこめて懇ろに、私もあなたを思わずにいられようか。
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春雨を待っているのであるらしい。私の家の若木の梅も、まだつぼみのままである。
万葉集 - 大伴旅人
世の中はむなしいものだと思い知る時、いよいよますます悲しくなることだ。
万葉集 - 山上憶良
家に帰って、私はどうしたらよいのだろう。枕を並べて寝た妻屋が、さぞ寂しく思われることだろう。
ああ、いとしい。こうなるだけのことだったのに、私を慕ってはるばるやって来た妻の心が、どうしようもなくやるせない。
悔しいことだ。こうなると知っていたなら、国中をくまなく見せておくのだったのに。
妻が見た楝の花は、もう散ってしまうだろう。私の泣く涙は、まだ乾かないのに。
大野山に霧が一面に立ちこめている。私の嘆く吐息の風によって、霧が立ちこめている。
天への道は遠い。素直に家に帰って、家業に励みなさい。
銀も金も玉も、何になろうか。どんなにすぐれた宝も、子に及ぶことがあろうか。
常磐のように、いつまでもこのままでありたいと思うけれど、世の定めであるから、とどめることができないことだ。
竜の馬でも今すぐに手に入れたいものだ。奈良の都に行って、帰って来るために。
現実には逢うすべもない。せめて夜の夢に、絶えず見えてほしい。
万葉集
竜の馬を私は探し求めよう。奈良の都に来るあなたのために。
直接逢わずにいる日々も多くなったので、枕元を離れずに、夢にきっと見えよう。
どのような日のどのような時に、私の声を知ってくれる人の膝の上を、私は枕にするのだろうか。