万葉集 - 小野国堅
恋しい人の家に雪が降っているのかと見えるほどに、しきりに入り乱れて散る梅の花であることよ。
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万葉集 - 門部石足
鶯が待ちきれない思いで待っていた梅の花よ、散らずにいてほしい。私の思う子のために。
万葉集 - 小野田守
霞の立つ長い春の日を一日中髪に挿していても、ますます心ひかれる梅の花であることよ。
万葉集 - 大伴旅人(推定)
私の盛りの時はすっかり衰えてしまった。雲に飛ぶ仙薬を飲んだとしても、また若返ることがあろうか。
雲に飛ぶ仙薬を飲むよりは、都を見たならば、この卑しい私の身もまた若返るにちがいない。
消え残った雪に交じって咲く梅の花よ、早く散らないでおくれ。たとえ雪は消えてしまっても。
雪の白さを奪いとって咲いている梅の花は、今が盛りだ。見てくれる人がいたらよいのに。
わが家の庭に盛りに咲いている梅の花は、もう散りそうになった。見てくれる人がいたらよいのに。
梅の花が夢の中で語ることには、「私は風雅な花だと自負しています。どうか酒に浮かべてください」と。
魚をとる漁師の子どもだと人は言うけれど、見ればすぐにわかった。身分の高い人の子だと。
玉島のこの川上に家はあるけれど、あなたに対して気恥ずかしくて、明かさずにいたのです。
松浦川の川の瀬がきらきらと光り、鮎を釣ろうと立っておられるあなたの裳の裾が濡れている。
松浦の玉島川で鮎を釣ろうと立っておられる娘たちの、家への道を私は知らないことだ。
松浦の川で若鮎を釣るあなたの腕を、この私こそが枕にしたいものだ。
若鮎を釣る松浦の川の川波のように、並ひととおりに思うのであれば、私はこれほど恋い焦がれるだろうか。
春になると、私の家のある里の川の渡り場では、鮎の子が勢いよく走り回っている。あなたを待ちかねて。