大和物語
呉竹の節々のように代々の都と聞くだけで、あなたが千年栄えることに疑いもない。
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このように咲いている花もあるというのに、私にとってこれを同じ春だと言うことができるだろうか。
まれに私のことを尋ねる人があったなら、大海原へ、嘆きを帆に上げて去っていったと答えてほしい。
置く露のあいださえ待たずにしぼむ朝顔は、いっそ見ないほうがよかったのだ。
包んでも隠れないものは、夏の虫の身から余りあふれ出る思いなのであった。
こうして語り合っていても世ははかないのだから、互いにしみじみと思う心を、どうやってあなたに見せることができるだろう。
里では人が言い立て、山では騒ぎになる。その白雲のように、空しくはかない身になってしまうのだろうか。
夜明けの、庭の霜のようなこの身でありながら、いったい何を種として恋心が生えてしまったのだろう。
垣を作る飛騨の工の立てる斧の音のように、ああ騒がしいことだ。どうしてこう世の中というものは。
どれほど深いというわけでもない。世間で言うところの比叡山を、外の山として見るほどの所である。
のぼっていく山の雲のかなたは遠いので、そのぶん日も近くなるものであった。
逃れたとしても、誰が濡れ衣を着ずにいられよう。雨の下に住んでいるかぎりは。
人の親の心は闇というわけでもないのに、子を思う道にはやはり迷ってしまうことだ。
あなたは気を許して寝ていたのだろう。私のほうは露が置くように起きていて、恋のうちに夜を明かした。
白露の置くなか、起きては伏して誰を恋うていたのでしょう。私は自分のこととは聞きません。古びた身ですから。
奥山まで心を尽くして訪ねていかなければ、深く色づいた紅葉の色を見ることができただろうか。