古典和歌stream

平家物語

呉竹の筧の水はかわれども
猶すみあかぬ宮の内かな

呉竹の筧を流れる水は入れ替わってしまうけれども、それでもなお、住み飽きることのないこの宮の内であることよ。

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平家物語

あわれなり老木若木も山桜
おくれ先だち花は残らじ

哀れなことだ。老木も若木も同じ山桜、遅れるも先立つも、花はどれも残りはしないだろう。

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平家物語

旅衣よなよな袖をかた敷きて
思えばわれは遠くゆきなん

旅衣の袖を夜ごと独り敷いて寝ながら、思えば私は遠くへ行ってしまうのだろう。

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平家物語

はかなしな主は雲井に別るれば
宿はけぶりと立ちのぼるかな

はかないことだ。主人が雲居の彼方へ別れてゆけば、その宿は煙となって立ちのぼることだ。

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平家物語

故郷を焼野の原とかえりみて
末もけぶりの浪路をぞ行く

故郷を焼野の原と見返しながら、行く末もまた煙のような、波の路を行くことだ。

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平家物語

一声はおもい出て啼けほととぎす
おいその森の夜半の昔を

せめて一声は、思い出して鳴いてくれ、ほととぎすよ。老蘇の森の、あの夜半の昔を。

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平家物語

籠の中もなおうらやまし山がらの
身のほどかくすゆう顔のやど

籠の中の身さえ、なおうらやましい。山雀のように身のほどを隠して暮らす、この夕顔の宿にいる私には。

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平家物語

住みなれしふるき都の恋しさは
神も昔におもい知るらん

住み慣れた古い都の恋しさは、神もまた昔のご自身のこととして、思い知っておられるだろう。

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平家物語

世の中の憂さには神もなきものを
何祈るらん心づくしに

世の中のつらさに対しては神も力の及ばぬものを、何を祈るのか、そのように心を尽くして。

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平家物語

さりともと思う心も虫の音も
弱り果てぬる秋のくれかな

そうはいってもまだ望みはあると思う心も、虫の声も、すっかり弱り果ててしまった秋の暮れであることよ。

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平家物語

月を見し去年の今宵の友のみや
都に我を思い出ずらん

共に月を見た去年の今宵の友だけが、都で私を思い出してくれているだろうか。

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平家物語

恋しとよ去年の今宵の夜もすがら
契りし人の思い出でられて

恋しいことだ。去年の今宵、夜通し語り合って約束を交わしたあの人が、思い出されて。

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平家物語

分けて来し野辺の露とも消えずして
思わぬ里の月を見るかな

分け入ってきた野辺の露と共に消えることもなく、思いもかけぬ里で月を見ていることだ。

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平家物語

今日までもあればあるかのわが身かは
夢の中にも夢を見るかな

今日まで生きてはいても、あるかないかもわからないような我が身であるのに。夢の中で、さらに夢を見ているようなことだ。

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平家物語

人知れず其方をしのぶ心をば
傾く月にたぐえてぞやる

人に知られずそちらを思い慕うこの心を、西へ傾く月に添えて送ることだ。

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平家物語

もののふの取りつたえたる梓弓
引いては人のかえすものかは

武士が代々受け継いできた梓弓は、引くものであって、引き返すようなものではない。

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