- 表題
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- 古今和歌集
古今和歌集 - よみ人しらず
それをだに思ふこととて我が宿を
見きとな言ひそ人の聞かくに
せめてそのことだけでも、私を思ってくれる証として、私の家を訪ねて見たなどと言わないでほしい。人が聞いているのだから。
古今和歌集 - よみ人しらず
わびはつる時さへものの悲しきは
いづこをしのぶ涙なるらむ
すっかり嘆き尽くして思い切ったはずの時でさえ、なお物悲しいのは、いったいどこを恋しく思って流れる涙なのだろうか。
古今和歌集 - よみ人しらず
わたつみの我が身越す波立ち返り
海人の住むてふうらみつるかな
大海の波が私の身を越えては何度も打ち返すように、繰り返し海人が住むという浦を見るように、あの人を恨んでしまったことだ。
古今和歌集 - よみ人しらず
荒小田を荒鋤き返し返しても
人の心を見てこそやまめ
荒れた田を荒く鋤き返し、さらに何度も鋤き返すように、繰り返し繰り返しても、あの人の本当の心を見届けてから、恋をやめよう。
古今和歌集 - よみ人しらず
葦辺より雲居をさして行く雁の
いや遠ざかる我が身悲しも
葦の生える水辺から雲のかなたを目指して飛んでいく雁のように、あの人からますます遠ざかっていくわが身が悲しいことよ。
古今和歌集 - よみ人しらず
時雨つつもみづるよりも言の葉の
心のあきに逢ふぞわびしき
時雨が降るたびに木の葉が色づいていくのを見るよりも、言葉にこもるあの人の心の秋、つまり私への飽きに出会うことのほうがつらい。
古今和歌集 - よみ人しらず
あき風の吹きと吹きぬる武蔵野は
なべて草葉の色変はりけり
秋風がひたすら吹きに吹いた武蔵野では、一面に草葉の色が変わってしまった。そのように、飽きが来たあの人の心は、すっかり変わってしまった。
古今和歌集 - 小野小町
あき風にあふたのみこそ悲しけれ
我が身むなしくなりぬと思へば
秋風に吹かれる田の実のように、飽きの風にさらされる私の頼みこそ悲しい。稲の実が空になるように、わが身もむなしくなってしまったと思うと。
古今和歌集 - よみ人しらず
あきといへばよそにぞ聞きしあだ人の
我をふるせる名にこそありけれ
「あき」といえば、季節の秋のことで自分には関わりのないことと聞いていたが、それは浮気な人が私を古びさせ、飽きて捨てることの名であったのだ。