- 表題
- -
- 古今和歌集
古今和歌集 - 小野小町
わびぬれば身をうき草の根を絶えて
誘ふ水あらばいなむとぞ思ふ
わびしく暮らしているので、この身を憂いものと思い、根の切れた浮草のように、誘ってくれる水があるならば、流れて行ってしまおうと思う。
古今和歌集 - よみ人しらず
世の中にいづらわが身のありてなし
あはれとやいはむあなうとやいはむ
この世の中で、わが身はどこにあるのか。あるようでいて無いのだ。これを「あわれ」と言おうか、「ああつらい」と言おうか。
古今和歌集 - 布留今道
知りにけむ聞きても厭へ世の中は
波の騒ぎに風ぞしくめる
もう分かっているだろう。聞いただけでも嫌って離れるがよい。世の中は、騒ぎ立つ波の上に、さらに風が吹き重なるようなものらしい。
古今和歌集 - よみ人しらず
世の中を厭ふ山辺の草木とや
あなうの花の色に出でにけむ
世の中を嫌って人が隠れ住む山辺の草木だからというのか、「ああつらい」という名の卯の花が、その思いを色に表して咲いたのだろう。
古今和歌集 - よみ人しらず
世にふれば憂さこそまされみ吉野の
岩のかけ道踏みならしてむ
この世に生きながらえていると、つらさが増すばかりだ。いっそ吉野の岩の懸け道を踏みならすほど通い、山に入ってしまおう。