- 表題
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- 古今和歌集
古今和歌集 - 小野小町
人に逢はむつきのなきにはおもひおきて
胸はしり火に心焼けをり
あの人に逢う手だてもない月のない夜には、思いの火が燠となって起きていて、胸は走り火のようにざわめき、心は焼けこがれている。
古今和歌集 - 凡河内躬恒
蝉の羽のひとへに薄き夏衣
なればよりなむものにやはあらぬ
蝉の羽のように一重で薄い夏衣は、着なれてくればよれてしわが寄るものではないか。(ひたすら薄情なあの人も、なれ親しめば心を寄せてくれるものではないか。)
古今和歌集 - 壬生忠岑
隠れ沼の下より生ふるねぬなはの
ねぬなは立てじくるな厭ひそ
隠れ沼の底から生えている蓴菜(ねぬなは)ではないが、共寝もしないという噂は立てたくない。私が来るのを嫌がらないでくれ。
古今和歌集 - よみ人しらず
ことならば思はずとやは言ひ果てぬ
なぞ世の中の玉だすきなる
同じことなら、思っていないとはっきり言い切ってくれないのか。どうして二人の仲が、掛けたり外したりする襷のように、どっちつかずになっているのか。
古今和歌集 - よみ人しらず
我をのみ思ふと言はばあるべきを
いでや心は大幣にして
私だけを思っていると言うのなら、それでよいのだが、いやはや、あの人の心は大幣のように、あちこちから引かれているのだ。