古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

さを鹿の声たかさごに聞こえしは
妻なき時の音にこそありけれ

牡鹿の声が高く高砂に聞こえていたのは、妻のいなかった時の鳴き声であったのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

せきもあへず涙の河の瀬を早み
かからんものと思ひやはせし

せき止めることもできず、涙の川の瀬の流れが早いので、こんなことになるものだと思っただろうか、いや思いもしなかった。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

瀬を早み絶えず流るる水よりも
絶えせぬものは恋にぞありける

瀬の流れが早く、絶えず流れている水よりも、もっと絶えることのないものは恋であったよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

恋ふれども逢ふ夜なき身は忘れ草
夢路にさへや生ひ繁るらん

恋い慕っても逢う夜のない身には、忘れ草が夢の通い路にまで生い茂っているのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

世の中のうきはなべてもなかりけり
頼む限りぞ怨みられける

世の中のつらさは、すべての人にあるわけではなかった。頼みにしている人に限って、恨めしく思われてしまうものだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

夕されば思ひぞ繁き待つ人の
来むや来じやの定めなければ

夕方になると物思いがしきりにつのる。待っている人が来るのか来ないのか、はっきりしないので。

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後撰和歌集 - 源善

厭はれて帰りこしぢの白山は
入らぬに迷ふものにぞありける

嫌われて帰ってきた越路の白山は、山に分け入りもしないのに道に迷うものであったよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

人浪にあらぬわが身は難波なる
葦のねのみぞ下になかるる

人並みでない私の身は、難波の葦の根が水の下を流れるように、人知れず声をひそめて泣くばかりだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

白雲のゆくべき山は定まらず
思ふ方にも風は寄せなん

白雲が行くはずの山は定まっていない。せめて私の思う方へも、風が雲を吹き寄せてほしい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

世の中になほありあけの月なくて
闇に迷ふを訪はぬつらしな

この世になお生きながらえてはいるが、有明の月もなく、闇に迷っている私を訪ねてくれないのは、薄情なことよ。

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後撰和歌集 - 藤原時平

飛鳥河せきてとどむるものならば
淵瀬になるとなどか言はれん

飛鳥川の流れをせき止めてとどめられるものならば、淵が瀬になるなどと、どうして言われることがあろうか。

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後撰和歌集 - 右近

身をつめばあはれとぞ思ふ初雪の
ふりぬることも誰に言はまし

わが身をつねって引き比べてみると、しみじみとあわれに思う。初雪が降ったことも、わが身が古びてしまったことも、いったい誰に言えばよいのだろう。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

冬なれど君が垣ほに咲きければ
むべとこなつに恋しかりけり

冬であるけれども、あなたの家の垣根に咲いていたので、なるほど常夏の名のとおり、いつまでも恋しく思われることだ。

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後撰和歌集 - 藤原兼輔

白雪の今朝は積もれる思ひかな
逢はでふる夜の程も経なくに

白雪が積もるように、今朝は思いが積もっていることだ。あなたに逢わずに過ごした夜は、まだそれほどたってもいないのに。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

白雪の積もる思ひも頼まれず
春より後はあらじと思へば

白雪のように積もるというあなたの思いも、頼みにはできない。春が来ればその後は消えて残らないだろうと思うので。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

わが恋し君があたりを離れねば
降る白雪も空に消ゆらん

私の恋心はあなたのいるあたりを離れないので、そこに降る白雪も、地に積もる前に空で消えてしまうのだろう。

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