古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

越えぬてふ名をな恨みそ鈴鹿山
いとど間近くならんと思ふを

鈴鹿山を越えたという評判を恨まないでほしい。私はいっそう間近く、あなたのもとへ寄り添おうと思っているのだから。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

わがためにかつはつらしとみ山木の
こりともこりぬかかる恋せじ

私に対しては一方では薄情だと見て、深山の木を樵るように、懲りたとも懲りた、もうこんな恋はするまい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

あふこなき身とは知る知る恋すとて
なげきこりつむ人はよきかは

荷を担う朸もなく、逢う時もない身だと知りながら恋をして、嘆きという投げ木を樵り積む人は、よいものだろうか。

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後撰和歌集 - 戒仙

朝ごとに露は置けども人恋ふる
わが言の葉は色も変はらず

毎朝、木々の葉には露が置いて色を変えていくけれども、人を恋い慕う私の言葉の葉は、少しも色が変わらない。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

間近くてつらきを見るはうけれども
うきはものかは恋しきよりは

間近にいながら相手のつれなさを見るのはつらいけれども、そのつらさなど物の数ではない、離れて恋しく思うことに比べれば。

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後撰和歌集 - 藤原真忠

筑紫なる思ひそめ河渡りなば
水やまさらんよどむ時なく

筑紫にある染川の名のように、思いはじめたこの恋の川を渡ってしまったならば、水かさはいっそう増すだろうか、淀む時もなく。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

渡りてはあだになるてふ染河の
心づくしになりもこそすれ

渡ってしまえば心が浮わついてしまうという染川だから、筑紫の名のように、気をもむばかりの心尽くしになりはしないかと案じられる。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

花盛り過ぐしし人はつらけれど
言の葉をさへ隠しやはせん

花盛りに来ないで過ごしてしまった人は恨めしいけれども、花ばかりか言葉までも隠してしまうことがあろうか。

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後撰和歌集 - 右近

訪ふことを待つに月日はこゆるぎの
磯にや出でて今はうらみん

あなたの訪れを待つうちに月日は過ぎ越えていった。こゆるぎの磯に出て浦を見るように、今はもうあなたを恨もうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

忘れ草名をもゆゆしみかりにても
生ふてふ宿は行きてだに見じ

忘れ草はその名さえ忌まわしいので、刈りに行くためにも、かりそめにも、それが生えているという家には、行って見ることさえすまい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

うきことの繁き宿には忘れ草
植ゑてだに見しあきぞわびしき

つらいことの多い私の家には、忘れ草を植えてさえみたのに、あなたに飽きられたこの秋は、やはりわびしいことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

数知らぬ思ひは君にあるものを
置き所なき心地こそすれ

数えきれないほどの思いは、あなたのもとに寄せているのに、私はその思いの置き場のない心地がすることだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

置き所なき思ひとし聞きつれば
我にいくらもあらじとぞ思ふ

置き所もない思いだと聞いたので、その思いは私のところにはいくらもないのだろうと思う。

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後撰和歌集 - 是忠親王女

わがたちて着るこそうけれ夏衣
おほかたとのみ見べき薄さを

私が裁って仕立てたこの夏衣を、あなたが着るのはつらいことだ。ありふれたものとしか見てもらえないであろう、この薄さなのだから。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

八重葎さしてし門をいまさらに
何にくやしく開けて待ちけん

八重葎が生い茂って閉ざしていた門を、今さらどうして、くやしいことに開けて待っていたのだろう。

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後撰和歌集 - 源庶明

さを鹿の妻なき恋を高砂の
尾上の小松聞きも入れなん

妻のいない牡鹿が恋い慕って鳴く声を、高砂の峰の上の小松よ、せめて聞き入れてほしい。

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