古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

ちはやぶる神にもあらぬわが仲の
雲居はるかになりもゆくかな

神であるわけでもない私たちの仲が、神の住む雲の上のように、はるかに遠く隔たっていくことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

千早振神にも何にたとふらん
おのれ雲居に人をなしつつ

神にも、また何にでも、どうしてたとえるのだろう。自分のほうから、相手を雲の上の遠い人にしておきながら。

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後撰和歌集 - 敦慶親王

浮き沈み淵瀬に騒ぐにほ鳥は
底ものどかにあらじとぞ思ふ

浮いたり沈んだりして淵や瀬で騒ぐかいつぶりは、水の底でも心穏やかではいられないだろうと思う。

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後撰和歌集 - 藤原守文

松山に浪高き音ぞ聞こゆなる
我よりこゆる人はあらじを

末の松山に波が高く打ち寄せる音が聞こえるようだ。私よりも思いのまさる人など、いるはずもないのに。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

さしてこと思ひしものをみかさ山
かひなく雨のもりにけるかな

傘をさして、私を目指して来てほしいと思っていたのに、三笠山の名の御笠もかいがなく、雨が漏ってしまったことよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

もるめのみあまた見ゆればみかさ山
知る知るいかがさしてゆくべき

見張りの人目ばかりが数多く見えるので、それを知りながら、どうして三笠山の御笠をさして、あなたのもとを目指して行けようか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

慰むる言の葉にだにかからずは
今も消ぬべき露の命を

慰めてくれるあなたの言葉にさえすがっていなかったら、今にも消えてしまいそうな、露のようにはかない私の命なのに。

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後撰和歌集 - 兵衛

人知れず待つに寝られぬ有明の
月にさへこそあざむかれけれ

人知れずあなたを待って眠れずにいたのに、あなたばかりか、夜明けの空に残る有明の月にまでだまされてしまったことだ。

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後撰和歌集 - 在原元方

竜田河たちなば君が名を惜しみ
いはせの森の言はじとぞ思ふ

竜田川の名のように噂が立ったならば、あなたの名が惜しいので、岩瀬の森の名のように、決して口外すまいと思う。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

宇多の野はみみなし山か呼子鳥
呼ぶ声にだに答へざるらん

宇多の野は耳成山なのだろうか。呼子鳥が呼ぶように私が呼ぶ声にさえ、どうして答えないのだろう。

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後撰和歌集 - 女五のみこ

みみなしの山ならずとも呼子鳥
何かは聞かん時ならぬ音を

耳成山でなくても、呼子鳥よ、季節はずれのあなたの鳴き声を、どうして聞いたりしようか。

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後撰和歌集 - 壬生忠岑

恋ひわびて死ぬてふことはまだなきを
世のためしにもなりぬべきかな

恋に思い悩んで死ぬということは、まだ世に例がないのに、私はその世の例にもなってしまいそうだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

影見れば奥へ入りける君により
などか涙のとへは出づらん

私の姿を見ると奥へ入ってしまったあなたのせいで、どうして私の涙は外へと出てくるのだろう。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

知らざりし時だに越えし相坂を
などいまさらにわれ迷ふらん

まだ逢うことを知らなかった時でさえ越えた逢坂を、どうして今さら私は越えられずに迷っているのだろう。

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後撰和歌集 - 藤原蔭基

飽かずして枕の上に別れにし
夢路を又も尋ねてしかな

満ち足りないまま枕の上で別れてしまった夢の通い路を、もう一度たずねていきたいものだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

音もせずなりもゆくかな鈴鹿山
越ゆてふ名のみ高く立ちつつ

鈴鹿山の鈴の音もしないように、あなたからの便りもなくなっていくことだ。鈴鹿山を越えたように、二人が深い仲になったという評判ばかりが高く立ちながら。

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