- 表題
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- 後撰和歌集
後撰和歌集 - 藤原伊衡女いまき
月にだに待つほど多く過ぎぬれば
雨もよに来じと思ほゆるかな
月の明るい夜でさえ、待つ時ばかりが多く過ぎてしまったのだから、まして雨の降る夜には来ないだろうと思われることだ。
後撰和歌集 - 藤原朝頼
富士の嶺をよそにぞ聞きし今はわが
おもひに燃ゆる煙なりけり
富士の嶺の煙を、これまでは自分とかかわりのないものとして聞いていた。今ではそれが、私の思いの火に燃える煙であったのだ。
後撰和歌集 - よみ人しらず
言ひさしてとどめらるなる池水の
波いづかたに思ひ寄るらん
言いかけたまま止められてしまったという、せき止められた池の水の波のように、あなたの心はどちらへ寄っていくのだろう。
後撰和歌集 - よみ人しらず
いかにして事語らはん郭公
なげきの下になけばかひなし
どのようにして言葉を語り合えばよいのだろう、郭公よ。嘆きという木の下で鳴き、私も泣いているばかりでは、そのかいもない。
後撰和歌集 - よみ人しらず
濁りゆく水には影の見えばこそ
あしまよふえをとどめても見め
濁っていく水にも姿が映って見えるのならば、葦の乱れる入江にとどめるように、この笛を手もとにとどめても見ようが。