古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

数ならぬ身はうき草となりななん
つれなき人に寄るべ知られじ

取るに足らない我が身は、いっそつらい浮き草となってしまいたい。そうすれば、つれない人に身を寄せる所を知られることもないだろう。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

夕闇は道も見えねど故郷は
もと来し駒にまかせてぞ来る

夕闇で道も見えないけれど、昔なじみの里へは、以前通ってきた馬に任せてやって来たことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

駒にこそまかせたりけれあやなくも
心の来ると思ひけるかな

馬に任せて来たのだったのか。わけもなく、あなたの心が来てくれたのだと思っていたことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

いづ方にことづてやりて雁がねの
逢ふことまれに今はなるらん

いったいどちらへ便りを託して送ったために、年に一度渡ってくる雁のように、今はまれにしか逢えなくなってしまったのだろう。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

ありとだに聞くべきものを逢坂の
関のあなたぞはるけかりける

せめて無事でいると聞くだけでもしたいのに、逢坂の関の向こうは、はるかに遠いことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

関守が改まるてふ逢坂の
木綿付け鳥は鳴きつつぞ行く

関守が新しく替わったという逢坂の関を、木綿付け鳥のように、私は泣きながら越えて行くことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

行き帰り来ても聞かなん逢坂の
関に替はれる人もありやと

行って帰って来てでも、確かめて聞いてほしい。逢坂の関で、あなたと替わった人など本当にいるのかと。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

守る人のあるとは聞けど逢坂の
関もとどめぬ我が涙かな

関を守る人がいるとは聞いているが、その逢坂の関でさえもせき止めることのできない私の涙であることだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

葛城や久米路に渡す岩橋の
なかなかにても帰りぬるかな

葛城の久米路に架け渡そうとした岩橋が中途で絶えたように、なまじ逢ったことで、かえって中途半端なまま帰ってしまったことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

なか絶えて来る人もなき葛城の
久米路の橋は今もあやふし

途中で絶えて渡って来る人もいない葛城の久米路の橋は、今もなお危ういことだ。

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後撰和歌集 - 藤原有好

白雲のみなひとむらに見えしかど
立ち出でて君を思ひそめてき

白雲がみなひとかたまりに見えるように、白い衣の女たちはみな同じように見えたけれど、雲が立ち離れるようにあなたが進み出て、私はあなたを思いはじめたのだった。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

よそなれど心ばかりはかけたるを
などかおもひに乾かざるらん

離れてはいるけれど、心だけはあなたにかけているのに、衣を火にかけても乾かないように、どうして思いの火にあたっても涙の袖は乾かないのだろう。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

わが恋の消ゆる間もなく苦しきは
逢はぬなげきや燃えわたるらん

私の恋の火が消える間もなく苦しいのは、逢えない嘆きという投げ木が、絶えず燃え続けているからだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

消えずのみ燃ゆるおもひは遠けれど
身もこがれぬるものにぞありける

消えることなく燃え続けるあなたの思いの火は遠くにあるけれど、その火で私の身までも焦がれてしまうものであったよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

上にのみおろかに燃ゆる蚊遣り火の
よにもそこにはおもひこがれじ

表面だけでいいかげんに燃える蚊遣り火のように、あなたは心の底では決して思い焦がれてはいないのだろう。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

河とのみ渡るを見るに慰まで
苦しきことぞいやまさりなる

あなたが川を渡るようにただ通り過ぎて行くばかりなのを見ると、心が慰められず、苦しいことがますますつのるばかりだ。

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