- 表題
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- 後撰和歌集
後撰和歌集 - 藤原朝忠
もろともにいざと言はずは死出の山
越ゆとも越さむものならなくに
一緒にさあ行こうと言ってくれないならば、たとえあなたが死出の山を越えるとしても、一人で越えさせるものではないのに。
後撰和歌集 - よみ人しらず
いさやまだ人の心もしら露の
おくにもとにも袖のみぞひつ
さあどうだか、まだあなたの心もわからない。白露が置くように、簾の奥にいても外にいても、私の袖ばかりが涙に濡れることだ。
後撰和歌集 - よみ人しらず
寄る潮のみちくる空もおもほえず
あふことなみに帰ると思へば
寄せる潮が満ちてくるように、帰りの道をたどっている心地もしない。逢うこともできず、浪が返すように帰るのだと思うと。
後撰和歌集 - よみ人しらず
数ならぬ身は山の端にあらねども
多くのつきを過ぐしつるかな
取るに足らない我が身は山の端ではないけれども、山の端が多くの月を送り出すように、多くの月日を待ちながら過ごしてしまったことだ。
後撰和歌集 - よみ人しらず
濡れつつもくると見えしは夏引きの
手引きに絶えぬ糸にやありけん
雨に濡れながらも来ると見えていたのは、夏引きの糸を手で繰るように、引いても切れない糸のような心だったのだろうか。