古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

春霞はかなくたちて別るとも
風より外に誰か訪ふべき

春霞がはかなく立ち去るように、あなたが旅立って別れて行っても、風のほかに誰があなたを訪ねるだろうか。

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後撰和歌集 - 伊勢

目に見えぬ風に心をたぐへつつ
やらば霞の別れこそせめ

目に見えない風にあなたの心を添えて送ってくださるのなら、そのときには霞のように別れて行くこともいたしましょう。

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後撰和歌集 - 貞元親王

深緑染めけん松のえにしあらば
薄き袖にも浪は寄せてん

深緑に染めたという松の枝のように、変わらない縁があるのならば、色の薄い私の袖にも、きっと浪は寄せてくることだろう。

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後撰和歌集 - 土左

松山の末越す浪のえにしあらば
君が袖には跡もとまらじ

末の松山の梢を越えていく浪のような、移り気な縁であるならば、あなたの袖には、浪の寄せた跡もとどまらないでしょう。

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後撰和歌集 - 藤原時平

深く思ひそめつと言ひし言の葉は
いつかあき風吹きて散りぬる

深く思いはじめた、深く心を染めたと言ったあの言葉は、いつ飽きの秋風が吹いて散ってしまったというのか、散ってなどいない。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

人をのみ恨むるよりは心から
これ忌まざりし罪と思はむ

あの人ばかりを恨むよりは、自分の心から出たこととして、これを忌み避けなかった私の罪だと思おう。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

あしひきの山下繁く行く水の
流れてかくし訪はばたのまむ

山の麓を絶え間なく流れて行く水のように、末長くこのように便りをくださるのなら、あなたを頼みにしよう。

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後撰和歌集 - 伊勢

わび果つる時さへものの悲しきは
いづこを忍ぶ心なるらん

すっかり思い嘆き尽くしてしまった時でさえ、なおなんとなく悲しいのは、あの人のどこを恋い慕う心なのだろうか。

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後撰和歌集 - 伊勢

いなせとも言ひ放たれず憂きものは
身を心ともせぬ世なりけり

いやともよいとも、はっきり言い切ることができない。つらいものは、我が身を自分の心のままにできないこの世の中なのであった。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

来ずやあらん来やせんとのみ河岸の
まつの心を思ひやらなん

来ないのだろうか、来るのだろうかとばかり思って、川岸の松のように待ち続けている私の心を、思いやってほしい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

強ひて行く駒の足折る橋をだに
などわが宿に渡さざりけん

無理に帰って行くあなたの馬の脚を折ってしまうような橋だけでも、どうして私の家に架けておかなかったのだろう。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

年を経て生けるかひなき我が身をば
何かは人にありと知られん

長年、生きている甲斐もないこの我が身を、どうして人に、生きているなどと知らせることがあろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

あさりする時ぞわびしき人知れず
難波の浦にすまふ我が身は

餌をあさって浜辺に出る時こそつらいものだ。人知れず難波の浦に住む我が身にとっては。

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後撰和歌集 - 寛湛法師母

ながめつつ人待つ宵の呼子鳥
いづ方へとか行き帰るらむ

物思いにふけりながら人を待つ宵に鳴く呼子鳥は、いったいどちらへ行っては帰っているのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

人言の頼みがたさは難波なる
葦の裏葉のうらみつべしな

人の言葉の頼みがたさを思うと、難波の葦の葉が風に裏を見せるように、きっと恨んでしまうに違いないことだ。

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後撰和歌集 - 少将内侍

人はかる心の隈はきたなくて
清き渚をいかで過ぎけん

人をだます心の奥底は汚れているのに、どうしてあの清らかな伊勢の渚を通り過ぎてくることができたのだろう。

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