古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

常よりも起き憂かりつる暁は
露さへかかるものにぞありける

いつもよりも起きて帰るのがつらかったこの暁は、涙ばかりか露までもが袖にかかるものであったよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

おく霜の暁起きを思はずは
君が夜殿に夜離れせましや

霜の置く寒い暁に起きて帰るつらさを思わなかったならば、あなたの寝所に通わない夜などあっただろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

霜置かぬ春よりのちのながめにも
いつかは君が夜離れせざりし

霜の置かない春から後の、長雨が降って物思いに沈む季節にも、いったいいつ、あなたが夜離れしなかったことがあっただろうか。

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後撰和歌集 - 源英明

伊勢の海の海人のまてかたいとまなみ
長らへにける身をぞうらむる

伊勢の海の海人が両手を休めずに働いて暇がないように、私も暇がないままに、あなたを訪ねもせず生き長らえてしまった我が身を恨むことだ。

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後撰和歌集 - 藤原為世

逢ふことのかたのへとてぞ我はゆく
身を同じ名に思ひなしつつ

逢うことの難しい、その「かた」の名を持つ交野へと思って私は行くのだ。逢うことの難しい我が身を、交野と同じ名のものと思いなしながら。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

君があたり雲居に見つつ宮道山
うち越えゆかむ道も知らなく

あなたの住むあたりを遠く雲のかなたに見やりながら、宮道山を越えて行く道も知らないことだ。

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後撰和歌集 - 俊子

思ふてふ言の葉いかになつかしな
後憂きものと思はずもがな

「思っている」という言葉は、なんと心ひかれるものだろう。後になってつらいものになるなどと思わずにいられたらよいのに。

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後撰和歌集 - 藤原兼茂女

思ふてふことこそ憂けれくれ竹の
よにふる人の言はぬなければ

「思っている」という言葉こそつらいものだ。呉竹の節のように、世の中に生きる人で、それを言わない者はいないのだから。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

思はむと我を頼めし言の葉は
忘れ草とぞ今はなるらし

いつまでも思おうと言って私に頼みにさせたあの言葉は、今では忘れ草となってしまったらしい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

今までも消えでありつる露の身は
置くべき宿のあればなりけり

今まで消えずに生きながらえてきた露のような我が身は、身を置くべき宿、つまりあなたがいたからこそなのだった。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

言の葉もみな霜枯れになりゆくは
露の宿りもあらじとぞ思ふ

あなたの言葉もみな霜枯れのように絶えていくのは、もう露が宿る場所もないということなのだと思う。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

忘れむと言ひしことにもあらなくに
今は限りと思ふものかは

忘れようと言ったわけでもないのに、今はもうこれまでだと、どうして思うことがあろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

現には臥せど寝られず起きかへり
昨日の夢をいつか忘れん

現実には横になっても寝つかれず、起き返ってばかりいる。昨日の夢のような逢瀬を、いつ忘れることがあろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

さざら波間なく立つめる浦をこそ
世に浅しとも見つつ忘れめ

さざ波が絶え間なく立っているらしい浦であればこそ、本当に浅いものと見ながら、忘れてしまおう。

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後撰和歌集 - 藤原敦忠

伊勢の海の千尋の浜に拾ふとも
今は何てふかひかあるべき

伊勢の海の千尋の浜で貝を拾ったとしても、今となっては何の甲斐があるだろうか。

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後撰和歌集 - 本院のくら

忘れねと言ひしにかなふ君なれど
訪はぬはつらきものにぞありける

忘れてしまえと私が言ったとおりにしてくれるあなただけれど、訪れがないのはやはりつらいものであったよ。

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