- 表題
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- 千載和歌集
千載和歌集 - 藤原定家
いづくにて風をも世をも恨みまし
吉野の奥も花は散るなり
いったいどこで、花を散らす風をも、つらい世をも恨んだらよいのだろうか。世を逃れる吉野の山奥でさえ、花は散るのだという。
千載和歌集 - 藤原家基
いにしへも底に沈みし身なれども
なほ恋しきは白川の水
昔も、川の底に沈むように不遇のうちに埋もれていた身ではあるけれども、それでもなお恋しく思われるのは、白河院の御代の白川の水である。
千載和歌集 - 中原師尚
数ならぬ身をうき雲の晴れぬかな
さすがに家の風は吹けども
物の数にも入らない我が身を憂く思う、その浮き雲のような憂いが晴れないことだ。さすがに家に伝わる学問の風は吹いているけれども。
千載和歌集 - 大江匡範
思ひやれとよにあまれる灯火の
かかげかねたる心細さを
思いやってほしい。十年余りもともし続けてきた灯火の芯をかき立てかねるように、望みを掲げることもできずに細ってゆく心細さを。
千載和歌集 - 藤原公重
世の憂さを思ひしのぶと人も見よ
かくてふるやの軒の気色を
世のつらさを思い、じっと耐え忍んでいるのだと、人も見てほしい。こうして年を経て住む古家の、軒に忍ぶ草の生い茂るありさまを。