- 表題
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- 千載和歌集
千載和歌集 - 守覚法親王
思ひ出のあらば心もとまりなん
厭ひやすきは憂き世なりけり
もし心に残る思い出があるならば、心もこの世にとどまることだろう。厭いやすいのは、そうした思い出もないこの憂き世であったことだ。
千載和歌集 - 藤原宗家
身のほどを知らずと人や思ふらん
かく憂きながら年を経ぬれば
身の程を知らない者だと、人は思っているだろうか。こんなにもつらいままでありながら、世を捨てもせずに年を過ごしてきたので。
千載和歌集 - 二条太皇太后宮別当
そま川に下すいかだのうきながら
過ぎゆく物は我が身なりけり
杣川に流し下す筏が水に浮いたまま流れ過ぎてゆくように、つらいままで年月とともに過ぎてゆくのは我が身であったことだ。
千載和歌集 - 藤原定家
おのづからあればある世にながらへて
惜しむと人に見えぬべきかな
生きていればそれなりに過ぎてゆく世に、自然と長らえて、命を惜しんでいるのだと、人には見えてしまうに違いないことだ。
千載和歌集 - 宜秋門院丹後
憂しとても厭ひも果てぬ世の中を
なかなか何に思ひ知りけん
つらいといっても、厭い捨てきることもできないこの世の中なのに、なまじどうしてそのつらさを思い知ってしまったのだろうか。
千載和歌集 - 藤原長方
諸人の花咲く春をよそに見て
なほしぐるるはしひ柴の袖
人々がみな花咲く春を迎えて位を進めるのをよそに見ながら、今もなお時雨のように涙に濡れているのは、椎柴色の喪服をまとった私の袖である。
千載和歌集 - 藤原惟方
この瀬にも沈むと聞くは涙川
流れしよりもなほまさりけり
今度の赦免の折にも漏れて沈んだままだと聞いて流す涙の川は、流罪となって流された時よりも、なおいっそう水かさがまさったことだ。