- 表題
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- 拾遺和歌集
拾遺和歌集 - よみ人しらず
あまといへどいかなるあまの身なればか
世に似ぬしほをたれわたるらん
尼になったとはいっても、いったいどのような海人の身だからか、世に例のない潮水を垂らすように、涙を流し続けているのだろう。
拾遺和歌集 - 藤原公任
常ならぬ世は憂き身こそ悲しけれ
その数にだに入らじと思へば
無常なこの世では、つらいこの身こそが悲しいのだ。たとえ死んでも、生きていてほしいと惜しまれる人の数にさえ、私は入るまいと思うと。
拾遺和歌集 - 伊勢
亡き人もあるがつらきを思ふにも
色分かれぬは涙なりけり
亡くなった親のことも、生きている人がつれないことも思うにつけ、どちらのためとも色の区別がつかないのは、流れる涙であったよ。
拾遺和歌集 - よみ人しらず
いかにせんしのぶの草も摘みわびぬ
かたみと見えしこだになければ
どうしたらよいのだろう。亡き人を偲ぶしのぶ草も摘みかねている。形見と思えた子さえ、摘んだ草を入れる籠さえ、もうないので。
拾遺和歌集 - よみ人しらず
春は花秋は紅葉と散り果てて
立ち隠るべきこのもともなし
春は花、秋は紅葉と、すっかり散ってしまって、立ち寄って身を隠すべき木の下もない。頼りとする子どもたちも、もういない。