古典和歌stream

拾遺和歌集 - 女蔵人兵庫

五月来てながめまさればあやめ草
思ひ絶えにしねこそなかるれ

五月が来て、長雨が降りまさり、物思いにふけることも増すので、あやめ草の根が流れるように、思いを断ち切ったはずの私も、声をあげて泣かずにはいられない。

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拾遺和歌集 - 藤原道兼

しのべとやあやめも知らぬ心にも
長からぬ世のうきに植ゑけん

自分を偲べというのだろうか。物の道理もわからない幼い心で、長くはないこの世の、つらい泥の中に菖蒲を植えておいたのだろうか。

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拾遺和歌集 - 右大臣

ここにだにつれづれになく郭公
ましてこごひの森はいかにぞ

ここでさえ、ほととぎすがもの寂しげに鳴いている。まして子を恋うという名の子恋の森では、どれほどでしょうか。

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拾遺和歌集 - 藤原道信

朝顔を何はかなしと思ひけん
人をも花はさこそ見るらめ

朝顔を、どうしてはかないと思ったのだろう。人のことも、花のほうではそのように、はかないものと見ているだろうに。

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拾遺和歌集 - 村上天皇

時ならでははその紅葉散りにけり
いかにこのもとさびしかるらん

季節でもないのに、柞の紅葉が散ってしまった。木の下は、母君を亡くしたあなたのもとは、どれほど寂しいことだろう。

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拾遺和歌集 - 藤原国章

思ひきや秋の夜風の寒けきに
妹なき床にひとり寝むとは

思っただろうか、いや思いもしなかった。秋の夜風が寒いのに、妻のいない床にひとりで寝ることになろうとは。

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拾遺和歌集 - 村上天皇

秋風になびく草葉の露よりも
消えにし人を何にたとへん

秋風になびく草葉の露よりも、さらにはかなく消えてしまった人を、いったい何にたとえようか。

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拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

去年見てし秋の月夜は照らせども
相見し妹はいや遠ざかり

去年共に見た秋の月は、今年も変わらず照らしているけれど、一緒に見た妻は、ますます遠ざかってゆく。

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拾遺和歌集 - 藤原敦忠

君なくて立つ朝霧は麻衣
池さへきるぞ悲しかりける

あなたがいなくなって立ちこめる朝霧は、まるで喪服のようだ。人ばかりか池までもが、霧の喪服を着ているのが悲しいことだ。

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拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

我妹子が寝くたれ髪を猿沢の
池の玉藻と見るぞ悲しき

いとしい人の寝乱れた髪を、猿沢の池の玉藻として見るのは悲しいことだ。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

心にもあらぬ憂き世にすみぞめの
衣の袖の濡れぬ日ぞなき

思いもよらないつらい世に住みはじめて、墨染の衣の袖が涙に濡れない日はない。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

藤衣祓へて捨つる涙川
岸にもまさる水ぞ流るる

喪服の藤衣を祓えをして捨てる涙の川には、岸からあふれるほどの水が流れていることだ。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

藤衣はつるる糸は君恋ふる
涙の玉の緒とやなるらん

喪服の藤衣からほつれ出る糸は、あなたを恋い慕って流す涙の玉を貫く緒となるのだろうか。

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拾遺和歌集 - 藤原道信

限りあれば今日脱ぎ捨てつ藤衣
果てなきものは涙なりけり

喪の期間には限りがあるので、今日喪服を脱ぎ捨てた。けれども、果てのないものは涙であったのだ。

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拾遺和歌集 - としのぶの母

人なしし胸の乳房をほむらにて
焼くすみぞめの衣着よ君

あなたを一人前の人に育てたこの胸の乳房を炎として焼いた炭で染めた、墨染の衣を着なさい、あなた。

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拾遺和歌集 - 大江為基

藤衣あひ見るべしと思ひせば
まつにかかりて慰めてまし

喪服の藤衣を着ている今、亡き人にまた逢えると思うのならば、藤が松にかかるように、待つことにすがって心を慰めもしようものを。

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