万葉集 - 奄君諸立
あなたの家の庭の橘の花が美しいので、そこに来て鳴くほととぎすを見に、私はやって来たのだ。
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万葉集 - 大伴坂上郎女
ほととぎすよ、そんなにひどく鳴かないでおくれ。一人でいて眠ることもできないのに、その声を聞くと苦しいから。
万葉集 - 大伴家持
夏を迎えて咲いたはねずの花は、雨が降ったなら、色あせてしまうだろうか。
我が家の庭の橘の花を、ほととぎすは来て鳴きもせずに、むなしく地に散らせてしまおうというのか。
ほととぎすよ、思いもしなかった。木々が茂って暗くなるほどになっても、どうして来て鳴かないのか。
よそではもう鳴いたのだろうが、ほととぎすは、我が家の里では今日初めて鳴いたことだ。
我が家の庭の橘の花はすっかり散ってしまい、玉として糸に貫けるほどに実になったことだ。
ほととぎすを待っているけれども来て鳴かない。菖蒲草を玉に貫く五月の節句の日が、まだ遠いからだろうか。
卯の花が散ってしまったら惜しいと思うからだろうか、ほととぎすが雨の晴れ間も待たずに、ここを鳴きながら渡っていく。
万葉集
あなたの家の橘は、もう実になってしまった。花の咲いている時にお逢いしたかったのに。
万葉集 - 大伴村上
我が家の庭の橘の花を、ほととぎすがやって来て鳴き声を響かせ、根もとに散らしてしまった。
夏山の梢の茂みで、ほととぎすが鳴き声を響かせているのが聞こえる。その声の、なんとはるかなことか。
山の木の間をくぐって飛びかうほととぎすの声を、こうして聞き始めてしまって、あとできっと恋しく思うことだろう。
我が家の庭のなでしこの花が盛りである。手折って、一目見せてやる娘がいればよいのに。
万葉集 - 高橋虫麻呂
筑波山に私が行っていたならば、ほととぎすは山彦を響かせて鳴いただろうか、あのほととぎすは。
暇がないといっておいでにならないあなたのもとへ、ほととぎすよ、私がこれほど恋しく思っていると、行って告げておくれ。