万葉集 - 山部王
秋山に色づいた木の葉が散ってしまったならば、いっそう秋を見たいと思うことだろうか。
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万葉集 - 長屋王
三輪の神官が祭る山を照り輝かせている秋の黄葉が、散ってしまうのは惜しいことだ。
万葉集 - 山上憶良
天の川をはさんで向かい合って立ち、私が恋い慕っていたあなたが、どうやらおいでになるようだ。衣の紐を解いて待っていよう。
天の川の瀬に舟を浮かべて、今夜こそあなたが私のもとへおいでになるのだろうか。
風や雲は天の川の両岸を行き来するけれども、遠く離れた私の妻の言葉は通ってこない。
小石でさえ投げ越せそうなほど狭い天の川だが、それが二人を隔てているからだろうか、どうしようもなくつらい。
秋風が吹き始めた日から、いつかいつかと私が待ち恋い慕っていたあなたが、ついにおいでになった。
天の川は、それほど川波が立っているわけではないけれど、渡る機会をうかがい待つのはつらい。こんなに近いこの瀬であるのに。
袖を振れば互いに見交わすこともできそうなほど近いのに、渡る手だてがない。まだその秋の夜ではないので。
ほんのわずかに姿が見えただけで別れてしまったならば、どうしようもなく恋しく思うことだろう。次に逢う時までは。
彦星の妻を迎えに行く舟が漕ぎ出したらしい。天の川原に霧が立ちこめているのは。
霞の立つ天の川原で、あなたを待つといって行ったり来たりしているうちに、裳の裾が濡れてしまった。
天の川の浮津の波音が騒がしく聞こえる。私が待つあなたが、舟出をしたらしい。
万葉集
おみなえしと秋萩が入り交じって咲く蘆城の野を、今日を始めとして、いつまでも見続けよう。
蘆城の川を今日見たからには、いつまでも忘れられようか、いや決して忘れはしない。
万葉集 - 笠金村
旅を行く人も、通りがかりに触れたならば、衣が美しく染まってしまいそうなほどに咲いている萩であることよ。