古典和歌stream

万葉集

衣手に水渋付くまで植ゑし田を
引板我が延へまもれる苦し

袖に水の錆が付くほど苦労して植えた田を、鳴子の綱を張りめぐらして見張っているのは、つらいことだ。

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万葉集 - 尼、大伴家持

佐保川の水を堰き上げて植ゑし田を
刈れる初飯はひとりなるべし

佐保川の水をせき止めて引き入れ、植えた田を刈り取って炊いた初めての飯は、ひとりで食べることになるだろう。

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万葉集 - 舎人娘子

大口の真神の原に降る雪は
いたくな降りそ家もあらなくに

真神の原に降る雪よ、そんなにひどく降らないでおくれ。身を寄せる家もないのだから。

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万葉集 - 元正天皇

はだすすき尾花逆葺き黒木もち
造れる室は万代までに

すすきの穂を逆さに葺き、皮のついたままの黒木で造ったこの室は、万代までも続くことだろう。

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万葉集 - 聖武天皇

あをによし奈良の山なる黒木もち
造れる室は座せど飽かぬかも

奈良の山の皮のついたままの黒木で造ったこの室は、いくらいても飽きることがない。

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万葉集 - 大伴旅人

沫雪のほどろほどろに降りしけば
奈良の都し思ほゆるかも

淡雪がはらはらとまだらに降り積もると、奈良の都が恋しく思われることだ。

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万葉集 - 大伴旅人

我が岡に盛りに咲ける梅の花
残れる雪をまがへつるかも

我が家の岡に盛りに咲いている梅の花は、残っている雪と見分けがつかないことだ。

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万葉集 - 角広弁

沫雪に降らえて咲ける梅の花
君がり遣らばよそへてむかも

淡雪に降られて咲いている梅の花を、あなたのもとへ贈ったならば、この花を私になぞらえて見てくれるだろうか。

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万葉集 - 安倍奥道

たな霧らひ雪も降らぬか梅の花
咲かぬが代にそへてだに見む

空一面を曇らせて、雪でも降ってくれないものか。梅の花がまだ咲かないその代わりに、せめて雪を花になぞらえてでも見よう。

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万葉集 - 若桜部君足

天霧らし雪も降らぬかいちしろく
このいつ柴に降らまくを見む

空を曇らせて、雪でも降ってくれないものか。はっきりと目に見えるように、このよく茂った柴に雪が降るのを見よう。

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万葉集 - 三野石守

引き攀ぢて折らば散るべみ梅の花
袖に扱入れつ染まば染むとも

枝を引き寄せて折ったら散ってしまいそうなので、梅の花をしごき取って袖に入れた。袖がその色に染まるなら染まってもかまわない。

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万葉集 - 巨勢宿奈麻呂

我が宿の冬木の上に降る雪を
梅の花かとうち見つるかも

我が家の庭の冬枯れの木の上に降る雪を、梅の花かと思って、ふと見たことだ。

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万葉集 - 小治田東麻呂

ぬばたまの今夜の雪にいざ濡れな
明けむ朝に消なば惜しけむ

今夜の雪に、さあ濡れよう。夜が明けた朝に消えてしまったら、惜しいだろうから。

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万葉集 - 忌部黒麻呂

梅の花枝にか散ると見るまでに
風に乱れて雪ぞ降り来る

梅の花が枝から散っているのかと見まがうほどに、風に吹き乱されて雪が降ってくる。

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万葉集 - 紀女郎

十二月には沫雪降ると知らねかも
梅の花咲くふふめらずして

十二月には淡雪が降るものだと知らないからだろうか、梅の花が咲いている。つぼみのままでいないで。

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万葉集 - 大伴家持

今日降りし雪に競ひて我が宿の
冬木の梅は花咲きにけり

今日降った雪と競い合うように、我が家の庭の冬枯れの梅の木は、白い花を咲かせたことだ。

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