古典和歌stream

万葉集 - 柿本人麻呂

とこしへに夏冬行けや裘
扇放たぬ山に住む人

永遠に夏と冬とがいっしょに過ぎて行くからなのか。皮衣を着ながら扇を手放さない、山に住む人は。

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万葉集 - 柿本人麻呂

妹が手を取りて引き攀ぢふさ手折り
我がかざすべく花咲けるかも

恋人の手を取るように枝を手に取って引き寄せ、どっさりと手折って、私が髪に挿すのにちょうどよいほどに、花が咲いていることだ。

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万葉集 - 柿本人麻呂

春山は散り過ぎぬとも三輪山は
いまだふふめり君待ちかてに

ほかの春の山の花はすっかり散ってしまっても、三輪山の花はまだつぼみのままでいる。あなたのお越しを待ちかねて。

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万葉集 - 間人宿禰

川の瀬のたぎつを見れば玉藻かも
散り乱れたる川の常かも

川の瀬が激しく流れるのを見ると、玉藻が散り乱れているのだろうか。それとも、これがこの川のいつもの姿なのだろうか。

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万葉集 - 間人宿禰

彦星のかざしの玉の妻恋ひに
乱れにけらしこの川の瀬に

彦星の髪飾りの玉が、妻を恋い慕うあまりに乱れ散ったらしい。この川の瀬に。

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万葉集 - 柿本人麻呂

白鳥の鷺坂山の松蔭に
宿りて行かな夜も更けゆくを

鷺坂山の松の木陰に宿りをして行こう。夜も更けていくのだから。

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万葉集 - 柿本人麻呂

あぶり干す人もあれやも濡れ衣を
家には遣らな旅のしるしに

火であぶって干してくれる人がいるだろうか、いはしない。この濡れた衣を家に送ってやろう、旅の証として。

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万葉集 - 柿本人麻呂

あり衣辺につきて漕がさね杏人の
浜を過ぐれば恋しくありなり

荒磯のほとりに沿って漕いでください。杏人の浜を過ぎてしまうと、恋しくてならないようだ。

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万葉集 - 柿本人麻呂

高島の阿渡川波は騒けども
我れは家思ふ宿り悲しみ

高島の阿渡川の川波は騒がしく音を立てているけれども、私はひたすら家のことを思っている。旅の宿りが悲しいので。

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万葉集 - 柿本人麻呂

旅なれば夜中をさして照る月の
高島山に隠らく惜しも

旅の身であるので、夜中に向かって照り渡る月が、高島山に隠れてしまうのが惜しいことだ。

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万葉集 - 柿本人麻呂

我が恋ふる妹は逢はさず玉の浦に
衣片敷き独りかも寝む

私が恋しく思う妻は逢ってはくれない。玉の浦で衣の片袖を敷いて、ひとりで寝ることになるのだろうか。

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万葉集 - 柿本人麻呂

玉櫛笥明けまく惜しきあたら夜を
衣手離れて独りかも寝む

明けてしまうのが惜しいほどのすばらしい夜なのに、妻の袖から離れて、ひとりで寝ることになるのだろうか。

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万葉集 - 柿本人麻呂

栲領巾の鷺坂山の白つつじ
我れににほはに妹に示さむ

鷺坂山の白つつじよ、私にその色を染めつけておくれ。妻に見せてやろう。

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万葉集 - 柿本人麻呂

妹が門入り泉川の常滑に
み雪残れりいまだ冬かも

泉川の川床の滑らかな岩に、雪が消え残っている。まだ冬なのだろうか。

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万葉集 - 柿本人麻呂

衣手の名木の川辺を春雨に
我れ立ち濡ると家思ふらむか

名木の川辺で、私が春雨に立ち濡れていると、家の者は思っているだろうか。

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万葉集 - 柿本人麻呂

家人の使ひにあらし春雨の
避くれど我れを濡らさく思へば

この春雨は家の人からの使いであるらしい。避けても避けても私を濡らすことを思うと。

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