新古今和歌集 - 御形宣旨
かつて見た夢を、いつの世のことだったかと思っているうちに、時節を忘れずに供えられる花の悲しさよ。
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新古今和歌集 - 藤原俊成
年老いてしまっても、また来年も逢おうと、去ってゆく年に、涙の玉を手向けたことだ。
新古今和歌集 - 円仁
ありふれて過ぎてゆく月日だと思って眺めていたのは、実は我が身に年が積もってゆくことだったのだ。
新古今和歌集 - 河島皇子
白波の寄せる浜の松の枝に結ばれた手向けの品は、いったいどれほどの代を経て、年月を重ねてきたのだろうか。
新古今和歌集 - 藤原宇合
山城の岩田の小野の柞の原を眺めながら、あなたは今ごろ山道を越えているのだろうか。
新古今和歌集 - 在原業平
芦屋の灘で塩を焼く女は暇がないので、黄楊の小櫛も髪に挿さずにやって来てしまった。
晴れた夜の星か、川辺の蛍か。それとも私の住むあたりで海人が焚く火だろうか。
新古今和歌集 - よみ人しらず
志賀の海人が塩を焼く煙は、風が激しいので空へ立ちのぼらず、山の方へたなびいている。
新古今和歌集 - 紀貫之
難波の女が衣を干すといって、芦を刈って焚く芦火の煙が立たない日はない。
新古今和歌集 - 壬生忠岑
年が経つにつれて、橋柱は朽ちることばかりがまさってゆく。長柄という昔ながらの名だけは変わらないままで。
新古今和歌集 - 恵慶
春の日の長い長柄の浜に舟を止めて、どれが長柄の橋かと尋ねても、答える者はいない。
新古今和歌集 - 藤原実定
朽ちてしまった長柄の橋を訪ねて来て見ると、芦の枯れ葉に秋風が吹いている。
新古今和歌集 - 藤原定頼
沖の風が夜中に吹いているらしい。難波潟では、明け方にかけて波の寄せる音が聞こえる。
新古今和歌集 - 藤原孝善
須磨の浦の凪いだ朝は、はるか遠くまで見渡す春の海に、海人の釣舟が霞とまぎれて見える。
新古今和歌集 - 壬生忠見
秋風が須磨の関を吹き越えるたびに、その音に声を添えて響く須磨の浦波である。
新古今和歌集 - 慈円
須磨の関が、夢さえ通さない波の音のする所とは思いもよらずに、宿を借りたのだった。