古典和歌stream

後撰和歌集 - よみ人しらず

包めども隠れぬものは夏虫の
身よりあまれるおもひなりけり

包んでも隠れないものは、蛍の身からあふれ出る火、すなわち我が身にあまる恋の思いであったことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

天の河水まさるらし夏の夜は
流るる月の淀む間もなし

天の川の水かさが増しているらしい。夏の夜は、流れていく月がとどまる間もない。

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後撰和歌集 - 紀貫之

花も散り郭公さへいぬるまで
君にもゆかずなりにけるかな

花も散り、ほととぎすまでも去ってしまうまで、あなたのもとにも行かずじまいになってしまったことだ。

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後撰和歌集 - 藤原雅正

花鳥の色をも音をもいたづらに
物憂かる身は過ぐすのみなり

花の色も鳥の声も、むなしく、もの憂い身である私は、ただ見過ごし聞き過ごすばかりである。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

夏虫の身を焚き捨てて玉しあらば
我とまねばむ人目守る身ぞ

夏虫が身を焼き捨てるように、もし魂だけでも残るのならば、私も自ら進んでそれをまねよう。人目をはばかってばかりいるこの身であるよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

今宵かくながむる袖の露けきは
月の霜をや秋と見つらん

今夜、こうして月を眺めている私の袖が露に濡れているのは、霜のような月の光を見て、秋になったと思ったからだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

賀茂河の水底澄みて照る月を
行きて見むとや夏祓へする

賀茂川の水底まで澄んで照っている月を、行って見ようというので、人々は夏祓えをするのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

七夕は天の河原を七かへり
後のみそかを禊にはせよ

七夕の星よ、天の川の河原で七度繰り返して、後の六月の晦日をこそ禊の日としなさい。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

にはかにも風の涼しくなりぬるか
秋立つ日とはむべも言ひけり

急に風が涼しくなったことだ。秋が立つ日とは、なるほどよく言ったものだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

打ちつけに物ぞ悲しき木の葉散る
秋の初めを今日ぞと思へば

急にもの悲しくなることだ。木の葉が散る秋の始まりを、今日だと思うと。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

頼めこし君はつれなし秋風は
今日より吹きぬわが身悲しも

頼りにさせてきたあなたはつれない。秋風は今日から吹き始めた。わが身が悲しいことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

いとどしく物思ふ宿の荻の葉に
秋と告げつる風のわびしさ

ただでさえもの思いをしている家の荻の葉に、秋が来たと告げた風のわびしさよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

秋風のうち吹きそむる夕暮れは
そらに心ぞわびしかりける

秋風が吹き始める夕暮れは、なんとなく心がわびしいことだ。

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後撰和歌集 - 大江千里

露分けし袂干す間もなきものを
など秋風のまだき吹くらん

露を分けて濡れた袂を干す間もないのに、どうして秋風がもう吹くのだろう。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

秋萩を色どる風の吹きぬれば
人の心も疑はれけり

秋萩を色づかせる風が吹いたので、あなたの心も変わるのではないかと疑われることだ。

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後撰和歌集 - 在原業平

秋萩を色どる風は吹きぬとも
心はかれじ草葉ならねば

秋萩を色づかせる風は吹いたとしても、私の心は離れはしない。草葉ではないのだから。

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