古典和歌stream

拾遺和歌集 - よみ人しらず

藻刈舟今ぞ渚に来寄すなる
汀の鶴の声騒ぐなり

藻を刈る舟が今ちょうど渚に寄って来るらしい。水際の鶴の鳴き声が騒がしく聞こえる。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

うち忍びいざすみの江の忘れ草
忘れて人のまたや摘まぬと

人目を忍んで、さあ住の江に住んでみよう。住の江の忘れ草を、あの人が私のことを忘れて、また摘みはしないかと見るために。

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拾遺和歌集 - 藤原済時

朝ぼらけひぐらしの声聞こゆなり
こや明け暮れと人の言ふらん

夜明け方に、ひぐらしの声が聞こえてくる。これを人は「明け暮れ」と言うのだろうか。

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拾遺和歌集 - 藤原清正

葦間より見ゆる長柄の橋柱
昔の跡のしろべなりけり

葦の間から見える長柄の橋の橋柱は、昔の跡を知るしるべであったのだ。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

今日までと見るに涙のますかがみ
馴れにし影を人に語るな

今日が最後だと見ていると涙が増してくる真澄の鏡よ、長年見慣れた私の姿を、ほかの人に語らないでおくれ。

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拾遺和歌集 - よみ人しらず

忘るなよほどは雲居に成りぬとも
空行く月の巡り逢ふまで

忘れないでおくれ。二人の隔たりが雲のかなたほどに遠くなっても、空を行く月が再びめぐって来るように、また巡り会うその時まで。

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拾遺和歌集 - 紀貫之

年月は昔にあらず成りゆけど
恋しきことは変はらざりけり

年月は昔のままではなく移り変わっていくけれども、恋しく思う気持ちだけは変わらないことだ。

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拾遺和歌集 - 藤原後生

昔我が折りし桂のかひもなし
月の林の召しに入らねば

昔、私が月の桂を折るように試験に及第したかいもない。月の林、すなわち月林寺へのお召しに加えていただけなかったので。

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拾遺和歌集 - 菅原道真の母

久方の月の桂も折るばかり
家の風をも吹かせてしがな

月に生えるという桂の枝をも折るほどに、学問の家の家風を吹かせてほしいものだ。

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拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

月草に衣は摺らん朝露に
濡れての後はうつろひぬとも

月草で衣を摺り染めにしよう。朝露に濡れた後では色があせてしまうとしても。

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拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

ちちわくに人は言ふとも織りて着む
我が機物に白き麻衣

あれこれと人はうわさするとしても、織って着よう。私の機にかけている白い麻の衣を。

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拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

久方の雨には着ぬをあやしくも
我が衣手の干る時もなき

雨の中で着ているわけでもないのに、不思議なことに私の袖は乾く時もない。

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拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

白波はたてど衣に重ならず
明石も須磨もおのがうらうら

白波は立つけれども、衣の縦糸のように衣に重なることはない。明石も須磨も、衣の表と裏のようには重ならず、それぞれ別々の浦である。

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拾遺和歌集 - 柿本人麻呂

夕されば衣手寒し我妹子が
解き洗ひ衣行きて早着む

夕方になると袖が寒い。いとしい妻がほどいて洗ってくれた衣を、帰って行って早く着たいものだ。

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拾遺和歌集 - 菅原道真

天つ星道も宿りもありながら
空にうきても思ほゆるかな

空の星には通る道も宿る所もあるのに、私は空に浮いたように頼りなく、憂わしく思われることだ。

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拾遺和歌集 - 菅原道真

流れ木も三年ありてはあひ見てん
世のうき事ぞ返らざりける

流れていく木でさえ、三年たてばまた巡り会うことだろう。けれども、この世の憂いことだけは元へ返らないことだ。

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