古典和歌stream

拾遺和歌集 - 藤原実頼

遅れゐて鳴くなるよりは葦鶴の
などか齢を譲らざりけん

主人に先立たれて後に残され、鳴いているよりは、葦辺の鶴はどうしてその長い寿命を主人に譲らなかったのだろうか。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 愛宮

年を経て立ち馴らしつる葦鶴の
いかなる方に跡とどむらん

長い年月、私のもとで立ち慣らしてきた葦辺の鶴は、今はどのような方のもとに足跡をとどめるのだろうか。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 清原元輔

行く末の忍草にもありやとて
露の形見も置かんとぞ思ふ

行く末に昔をしのぶよすがにもなろうかと思って、露ほどのささやかな形見でも置いておこうと思うのだ。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 中務

植ゑて見る草葉ぞ世をば知らせける
おきては消ゆる今朝の朝露

植えて眺めている草葉こそが、この世のはかなさを教えてくれたのだ。起きて見ると、置いてはすぐに消えていく今朝の朝露によって。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 弓削嘉言

露の命惜しとにはあらず君を又
見でやと思ふぞ悲しかりける

露のようにはかない命が惜しいというのではない。あなたにもう一度会わないまま終わるのかと思うことが悲しいのだ。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 清原元輔

惜しからぬ命やさらに延びぬらん
終はりの煙しむる野辺にて

惜しくもないこの命が、かえってさらに延びてしまうことだろうか。最期の煙を立てる場所として占めておいたこの野辺で。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 佐伯清忠

限りなき涙の露に結ばれて
人のしもとはなるにやあるらん

限りなく流す涙の露が凍り結んで霜となるように、私は人の下になってしまうのだろうか。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 清原元輔

憂き世にはゆき隠れなでかき曇り
ふるは思ひのほかにもあるかな

このつらい世から行き隠れることもできずに、雪が空を曇らせて降るように、心も曇らせて年を経ているのは、思いのほかのことであるよ。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 源景明

侘び人は憂き世の中に生けらじと
思ふ事さへかなはざりけり

失意の人は、このつらい世の中に生きてはいまいと思うことさえも、かなわないのであった。

詳細を見る

拾遺和歌集 - よみ人しらず

世の中にあらぬ所も得てしがな
年古りにたる形隠さむ

この世の中ではない所を手に入れたいものだ。年老いてしまったこの姿を隠すために。

詳細を見る

拾遺和歌集 - よみ人しらず

世の中をかく言ひ言ひの果て果ては
いかにやいかにならむとすらん

世の中をこうだああだと言い続けたその果ての果てには、いったいどのようになろうとしているのだろうか。

詳細を見る

拾遺和歌集 - よみ人しらず

いにしへの虎のたぐひに身を投げば
さかとばかりは問はむとぞ思ふ

昔の、飢えた虎に身を投げ与えた人の例にならって私が身を投げたならば、せめて「そうか」とだけでも問いかけてくれるだろうと思うのだ。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 紀貫之

春秋に思ひ乱れて分きかねつ
時につけつつ移る心は

春と秋のどちらがまさっているかと思い乱れて、見分けることができない。季節が移るたびに、その時々につけて移ってしまう心なので。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 承香殿俊子

おほかたの秋に心は寄せしかど
花見る時はいづれともなし

ふだんは秋に心を寄せていたけれども、桜の花を見るときは、春と秋のどちらがまさっているとも言えない。

詳細を見る

拾遺和歌集 - よみ人しらず

春はただ花のひとへに咲くばかり
物のあはれは秋ぞまされる

春はただ花が一重に、ひたすら咲くばかりだ。しみじみとした情趣は、秋のほうがまさっている。

詳細を見る

拾遺和歌集 - 藤原朝光

折からにいづれともなき鳥の音も
いかが定めむ時ならぬ身は

その折その折によって、どちらがまさるとも言えない鳥の声も、どうして定めることができようか。時を得ない身である私には。

詳細を見る