古典和歌stream

千載和歌集 - 小弁命帰

悲しさに添へても物の悲しきは
別れのうちの別れなりけり

悲しさに加えて、さらにいっそう物悲しいのは、死別の悲しみのうちに重なる、この別れであったことだ。

詳細を見る

千載和歌集 - 前中宮宣旨

憂きもののさすがに惜しき今年かな
遠ざかりなん君が別れに

つらいことばかりの年ではあったが、それでもやはり過ぎ去るのが惜しい今年であることだ。年が改まれば、亡き君との別れが遠ざかってしまうであろうと思うと。

詳細を見る

千載和歌集 - 藤原長家

悲しさはいとどぞまさる別れにし
今年も今日を限りと思へば

悲しさはいっそうまさることだ。亡き方々と別れたこの年も、今日が最後と思うと。

詳細を見る

千載和歌集 - 紫式部

いづかたの雲路と知らば尋ねまし
列離れけん雁がゆくへを

どちらの方角の雲の通い路と知っていたならば、尋ねて行くだろうに。列から離れてしまった雁の行方を。

詳細を見る

千載和歌集 - 藤原道信

年を経て君が見馴れし真澄鏡
昔の影は止まらざりけり

長い年月、父君が見慣れていた澄んだ鏡よ。けれども、そこに映っていた昔の面影はとどまってはいなかったことだ。

詳細を見る

千載和歌集 - 赤染衛門

常よりもまた濡れ添ひし袂かな
昔をかけて落ちし涙に

いつもよりもいっそう濡れまさった袂であることだ。昔のことを心にかけて思い出し、こぼれ落ちた涙で。

詳細を見る

千載和歌集 - 藤原彰子

現とも思ひわかれで過ぐる間に
見し世の夢を何語りけん

現実なのかどうかも見分けがつかないまま日々を過ごしているうちに、院と過ごした昔の夢のような日々のことを、どうして語ってしまったのだろう。

詳細を見る

千載和歌集 - 源実基

都へと思ふにつけて悲しきは
誰かは今は我を待つらん

都へ帰ろうと思うにつけても悲しいのは、今となっては誰が私を待っているだろうか、誰も待っていない、ということだ。

詳細を見る

千載和歌集 - 平雅康

もろともに春の花をば見しものを
人に後るる秋ぞ悲しき

春には皆と一緒に花を見たのに、人に後れて、ひとり花見に加われないこの秋が悲しいことだ。

詳細を見る

千載和歌集 - 大江匡房

花と見し人はほどなく散りにけり
我が身も風を待つと知らなん

花のように見ていた人は、間もなく散ってしまった。私の身もまた、散らす風を待っているのだと知ってほしい。

詳細を見る

千載和歌集 - 藤原顕綱

乾く間もなき墨染の袂かな
朽ちなば何を形見にもせん

涙で乾く間もない、喪服の墨染の袂であることだ。この袂が朽ちてしまったら、いったい何を亡き院の形見にすればよいのだろう。

詳細を見る

千載和歌集 - 藤原俊忠

墨染の袂にかかるねを見れば
あやめも知らぬ涙なりけり

喪服の墨染の袂に掛かる菖蒲の根を見ると、菖蒲の節句であることも、物の分別もわからないほどに、泣く音とともにこぼれる涙なのであった。

詳細を見る

千載和歌集 - 源国信

あやめ草うきねを見ても涙のみ
かくらん袖を思ひこそやれ

水に浮く菖蒲の根を見ても、つらさに泣く音を思い、涙ばかりを掛けているであろうあなたの袖を、心から思いやることだ。

詳細を見る

千載和歌集 - 藤原基俊

思ひやれむなしき床をうち払ひ
昔をしのぶ袖のしづくを

思いやってほしい。妻のいなくなった空しい寝床の塵を払いながら、昔をしのんで袖を濡らす涙のしずくを。

詳細を見る

千載和歌集 - 藤原苡子

胸に満つおもひをだにも晴るかさで
煙とならむことぞ悲しき

胸いっぱいに満ちた思いの火を、せめて晴らすことさえできずに、火葬の煙となってしまうことが悲しい。

詳細を見る

千載和歌集 - 藤原有信

もろともに有明の月を見しものを
いかなる闇に君まどふらん

一緒に有明の月を見たのに、今あなたはどのような闇の中で迷っているのだろうか。

詳細を見る