拾遺和歌集
猪名の伏原を飛び渡っていく鴫の羽音は、なんと趣深いことだろう。
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住吉の岸ではないが、来もしないであろう人のために、いまいましくも、住吉の松のように人を待っていると言われるのだろうか。
木綿襷をかける袂は窮屈でわずらわしい。ゆったりとくつろいで過ごすことになるのだと知れ。
拾遺和歌集 - 安法法師
天から降られた現人神とともに生い立ってきたことを思うと、なんと久しいことか、住吉の松は。
拾遺和歌集 - 恵慶法師
私が尋ねたならば、神代のことも答えてほしい。昔を知っている住吉の松よ。
拾遺和歌集 - 源重之
いったい幾世にわたって語り伝えていくのだろうか。筥崎の松が経てきた千年は、一つだけではないのだから。
拾遺和歌集 - 清原元輔
生い茂れ、平野の原の綾杉よ。濃い紫の衣を裁ち重ねるほどに、高い位にのぼり重ねていくように。
拾遺和歌集 - 実因
祈りをかける日吉の社の木綿襷よ。草の葉までも言葉を止めて、この祈りを聞け。
拾遺和歌集 - 源兼澄
大淀の禊は、もう幾世を経たのだろうか。すっかり神々しく古びている、浦の姫松よ。
拾遺和歌集 - 平祐挙
禊をする今日、唐崎で下ろす網は、網の浮けを引くように、神が祈りを受け入れてくださるしるしであったのだ。
拾遺和歌集 - 柿本人麻呂
神が保ってくださっているこの命を、いったい誰のために長くあってほしいと思うだろうか。
神にも恋の思いの火があるからこそ、年を経ても富士の山は燃え続けているのだろう。
拾遺和歌集 - 大中臣能宣
君の御代が長く続くという長等の山の、その甲斐があると、のどかな雲がかかっている時に見ることだ。
さざなみの寄せる近江の長等の山の名のように、長らえて楽しくあるはずの君の御代であることよ。
拾遺和歌集 - よみ人しらず
揺るぎない岩倉山に君の御代を運び置いては、千代の年を積み重ねるのだ。
御神の宿る三上の山の榊葉は、末の世までもいっそう栄えていくことだ。