- 表題
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- 新古今和歌集
新古今和歌集 - 永縁
なかなかに消えは消えなで埋み火の
生きてかひなき世にもある哉
いっそ消えるならば消えてしまえばよいものを、消えもしないで、灰に埋もれた炭火のように、生きていてもかいのない世に、なお生きていることよ。
新古今和歌集 - 上西門院兵衛
かへりては身に添ふものと知りながら
暮れゆく年をなに慕ふらん
暮れてゆく年は、去るどころかかえって年齢として身に積もり添うものと知りながら、どうしてその暮れてゆく年を慕うのだろうか。
新古今和歌集 - 俊成卿女
隔てゆく世々の面影かき暗し
雪とふりぬる年の暮かな
年ごとに遠く隔たってゆく過ぎた世々の面影は、涙にかき暗されて、雪のように降り積もり、古びてしまった年の暮れであることよ。
新古今和歌集 - 三条実房
急がれぬ年の暮こそあはれなれ
昔はよそに聞きし春かは
新しい年を待つ心も起こらず、支度に急ぐ気にもなれない年の暮れこそ、しみじみと悲しい。昔は、来る春をよそごとのように聞いたことがあっただろうか、いや、心待ちにしたものだ。
新古今和歌集 - 藤原実定
石走る初瀬の川の波枕
早くも年の暮れにけるかな
岩の上を激しく流れる初瀬川のほとりに、波の音を枕にして旅寝をしているうちに、その流れのように早くも年が暮れてしまったことよ。