- 表題
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- 後撰和歌集
後撰和歌集 - よみ人しらず
なき名ぞと人には言ひてありぬべし
心の問はばいかが答へん
根も葉もないうわさだと、人にはそう言って過ごすこともできるだろう。けれども自分の心が問いかけてきたら、どう答えたらよいのだろう。
後撰和歌集 - 伊勢
清けれど玉ならぬ身のわびしきは
磨けるものに言はぬなりけり
身は潔白であるけれど、玉ではないこの身がつらいのは、玉のように磨かれた清らかなものだと、人が言ってくれないことなのだ。
後撰和歌集 - 藤原敦忠
逢ふことをいざほに出でなん篠すすき
忍びはつべきものならなくに
逢っていることを、さあ表に出してしまおう。篠すすきが穂を出すように。いつまでも忍び通せるものではないのだから。
後撰和歌集 - 小野遠興の娘
つらからぬ中にあるこそ疎しといへ
隔てはててし衣にやはあらぬ
仲の冷たくない間柄にあってこそ、よそよそしいとも言えるものだ。この衣は、すっかり隔てられてしまった二人の間の衣ではないか。