- 表題
- -
- 後撰和歌集
後撰和歌集 - 凡河内躬恒
相思はでうつろふ色を見るものを
花に知られぬながめするかな
花のほうでは私を思ってくれず、その色あせていく姿を見ているというのに、花には知られることもない物思いにふけって眺めていることだ。
後撰和歌集 - 大将御息所
咲き咲かず我になつげそ桜花
人づてにやは聞かんと思ひし
咲いたとも咲かないとも、私に告げないでおくれ、あの桜の花のことは。人づてに聞くことになろうとは、思いもしなかったのだから。
後撰和歌集 - よみ人しらず
立ち渡る霞のみかは山高み
見ゆる桜の色も一つを
一面に立ちこめる霞だけが白く見えるのだろうか、いやそうではない。山が高いので遠くに見える桜の色も、霞と同じひとつの色なのに。