古典和歌stream

後撰和歌集 - 源中正

あふみちをしるべなくても見てしがな
関のこなたはわびしかりけり

逢う道である近江路を、道案内がなくても見てみたいものだ。逢坂の関のこちら側にいるのは、つらいことだ。

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後撰和歌集 - 下野

道知らでやみやはしなぬ逢坂の
関のあなたはうみといふなり

道を知らないまま、そのまま終わってしまわないものだろうか。逢坂の関の向こうは、湖の海、つらい「憂み」だというから。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

つれなきを思ひしのぶのさねかづら
果てはくるをも厭ふなりけり

冷淡なのを耐え忍んで思い続けてきたが、さねかずらを手繰るように、しまいには私が来ることさえ嫌うのだなあ。

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後撰和歌集 - 藤原実頼

今更に思ひ出でじと忍ぶるを
恋しきにこそ忘れわびぬれ

今さら思い出すまいとこらえているのに、恋しさのために、かえって忘れかねてしまっている。

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後撰和歌集 - 紀長谷雄

我がためは見るかひもなし忘れ草
忘るばかりの恋にしあらねば

私にとっては、見る甲斐もない、忘れ草は。忘れられるほどの恋ではないのだから。

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後撰和歌集 - 藤原ありよし

あひ見てもつつむ思ひのわびしきは
人まにのみぞ音は泣かれける

逢っていても、人目をはばかって包み隠す思いがつらいのは、人のいない間にだけ、声を上げて泣いてしまうことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

小山田の苗代水は絶えぬとも
心の池のいひは放たじ

山の田の苗代の水は絶えてしまっても、心の池の井樋を外さないように、私は「いや」などと言い放ちはしない。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

千代経むと契りおきてし姫松の
根ざしそめてし宿は忘れじ

千年も共に過ごそうと約束しておいた姫松が、根を下ろしはじめたこの宿を、私は忘れまい。

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後撰和歌集 - 源重光

これを見よ人もすさめぬ恋すとて
音を泣く虫のなれる姿を

これを見てほしい。人も顧みてくれない恋をするといって、声を上げて鳴く虫がなり果てた、この姿を。

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後撰和歌集 - 坂上是則

あひ見ては慰むやとぞ思ひしに
なごりしもこそ恋しかりけれ

逢ったならば心が慰むだろうかと思っていたのに、逢った後の名残こそが、かえって恋しくてならないのだ。

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後撰和歌集 - 藤原敏行

わが恋の数をかぞへば天の原
曇りふたがり降る雨のごと

私の恋しい思いの数を数えるならば、大空一面が曇りふさがって降りしきる雨の粒のように、数えきれないほどである。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

うち返し見まくぞほしき故郷の
大和なでしこ色や変はれる

もう一度くり返し見たいものだ。昔なじみの里の大和撫子は、その色が変わってしまっただろうか。

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後撰和歌集 - 藤原仲平

山彦の声にたてても年は経ぬ
我が物思ひを知らぬ人聞け

山びこのように声に出して叫んでも、こたえのないまま年は過ぎてしまった。私の物思いを知らないあの人よ、聞いてほしい。

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後撰和歌集 - 紀友則

玉藻刈る海人にはあらねどわたつみの
底ひも知らず入る心かな

美しい藻を刈る海人ではないけれども、海の底の果ても知らずに深く入り込んでいく私の心であることよ。

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後撰和歌集 - 紀友則

みるもなくめもなき海の磯に出でて
かへるがへるもうらみつるかな

海松も海藻もない海の磯に出て、逢うこともなく目を合わせることもないまま、寄せては返す波のように何度も帰りながら、浦を見て恨んだことだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

こりずまの浦の白浪立ち出でて
よるほどもなくかへるばかりか

懲りもせずにまた須磨の浦の白波が立つように出かけて来ては、波が寄る間もなく返るように、夜を過ごす間もなく帰ってしまうばかりなのか。

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