- 表題
- -
- 後撰和歌集
後撰和歌集 - 伊勢
住の江の目に近からば岸にゐて
波の数をもよむべきものを
住の江が目の届く近い所にあるのならば、岸にいて寄せる波の数も数えようものを。遠いので、絶え間ないというあなたの思いも確かめようがない。
後撰和歌集 - 藤原時平
もしもやとあひ見むことを頼まずは
かく経るほどにまづぞ消なまし
もしかしたらと、逢えることを頼みにしていなかったならば、こうして日を過ごすうちに、私の方が先に消えてしまっていただろう。
後撰和歌集 - 伊勢
あきとてや今は限りの立ちぬらん
思ひにあへぬものならなくに
秋だからというので、いや私に飽きたからというので、今が最後という霧が立ってしまったのだろうか。私の思いに堪えきれないというわけでもないのに。
後撰和歌集 - よみ人しらず
言の葉はなげなるものと言ひながら
思はぬためは君も知るらん
言葉というものはあてにならないものだと言いながらも、思ってもいない相手のためには言葉など贈らないことを、あなたも知っているだろう。