- 表題
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- 後撰和歌集
後撰和歌集 - よみ人しらず
うらむともかけてこそ見め唐衣
身になれぬればふりぬとか聞く
恨むとしても、唐衣を衣桁に掛けて眺めるように、心にかけて見ていよう。唐衣は身になじめば古びてしまうと聞くから。
後撰和歌集 - よみ人しらず
嘆けどもかひなかりけり世の中に
何に悔しく思ひ初めけん
嘆いても甲斐のないことであった。この世の中で、どうして悔やまれるようなかたちで、あの人を思い始めてしまったのだろう。
後撰和歌集 - 承香殿中納言
来ぬ人をまつの枝に降る白雪の
消えこそかへれくゆるおもひに
来ない人を待つ私は、松の枝に降る白雪が消えるように、すっかり消え入ってしまう。くすぶる火のような悔やむ思いのために。
後撰和歌集 - よみ人しらず
菊の花うつる心を置く霜に
かへりぬべくも思ほゆるかな
菊の花が置く霜によって色が移ろうように、移ろってしまったあなたの心も、霜に色がまた返るように、もとに戻ってしまいそうに思われることだ。
後撰和歌集 - よみ人しらず
ながめしてもりもわびぬる人目かな
いつか雲間のあらんとすらん
長雨が降り続き、物思いにふけっているうちに、雨が漏るように、親が見張る人目にほとほと困り果てたことだ。いつになったら、雲の切れ間のような、逢う隙ができるのだろうか。
後撰和歌集 - よみ人しらず
かげろふのほのめきつれば夕暮の
夢かとのみぞ身をたどりつる
かげろうのように、あなたがほのかに姿を見せたので、夕暮れの夢かとばかり思って、我が身をあれこれと確かめたことだ。
後撰和歌集 - 源善
あふみてふ方のしるべも得てしかな
みるめなきことゆきてうらみん
近江、逢う身という方へ向かう道しるべを得たいものだ。そうしたら、海松布のない浦を見るように、逢う機会のないことを、行って恨もう。
後撰和歌集 - よみ人しらず
高砂のまつと言ひつつ年を経て
変はらぬ色と聞かば頼まむ
高砂の松のように待つと言いながら年を経て、それが松の変わらない緑のように変わらない心だと聞くのならば、頼みにもしよう。