古典和歌stream

後撰和歌集 - 紀貫之

風をいたみくゆる煙の立ち出でても
なほこりずまのうらぞ恋しき

風が激しいので、くすぶる塩焼きの煙が立ちのぼって離れていくように、追い立てられて出て来ても、懲りもせずにやはり須磨の浦が恋しい。あの人が心から恋しい。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

言はねども我が限りなき心をば
雲居に遠き人も知らなん

口に出しては言わないけれども、私の限りない思いを、空の彼方のように遠いあの人も知ってほしい。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

君が音にくらぶの山の時鳥
いづれあだなる声まさるらん

あなたの声とくらぶの山のほととぎすの声とを比べてみると、どちらが浮気な声としてまさっているだろうか。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

恋ひて寝る夢路に通ふ魂の
慣るるかひなく疎き君かな

恋しく思いながら寝る夢の道を通っていく私の魂が、あなたに慣れ親しんでも、その甲斐もなく、よそよそしいあなたであることよ。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

篝火にあらぬおもひのいかなれば
涙の川に浮きて燃ゆらん

篝火でもない私の思いの火が、どうして涙の川に浮かんで燃えているのだろうか。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

待ち暮らす日は菅の根に思ほえて
逢ふ夜しもなど玉の緒ならん

待ちながら暮らす昼は、菅の根のように長く思われて、逢う夜に限って、どうして玉の緒のように短いのだろう。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

はかなかる夢のしるしにはかられて
うつつに負くる身とやなりなん

はかない夢のお告げにだまされて、現実では負けてしまう身となるのだろうか。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

思ひ寝の夢と言ひてもやみなまし
なかなか何にありと知りけん

思い寝の夢だと言ってすませてしまえばよかった。なまじどうして、あなたが本当に帰っていたと知ってしまったのだろう。

詳細を見る

後撰和歌集 - 藤原忠房

いつしかの音になきかへり来しかども
野辺の浅茅は色づきにけり

早く早くと声をあげて泣きながら帰って来たけれども、野辺の浅茅は、もうすっかり色が変わってしまっていた。

詳細を見る

後撰和歌集 - 藤原忠房

ひきまゆのかくふたごもりせまほしみ
桑こきたれて泣くを見せばや

繭が二匹の蚕を包むように、あなたと二人でこもっていたいので、桑の葉をしごき落とすように涙をしたたらせて泣くのを、見せたいものだ。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

関山の峰の杉むら過ぎゆけど
あふみはなほぞはるけかりける

関山の峰の杉林を過ぎて行くけれども、近江、逢う身となるのは、やはりはるかに遠いことだ。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

思ひ出でておとづれしける山彦の
答へに懲りぬ心なになり

思い出したように便りをよこした、山びこのようなあなたの、その答えにも懲りない私の心は、いったい何なのだろう。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

まどろまぬものからうたてしかすがに
うつつにもあらぬ心地のみする

うとうと眠っているわけでもないのに、困ったことに、そうはいってもやはり、現実とも思えない心地ばかりがする。

詳細を見る

後撰和歌集 - よみ人しらず

うつつにもあらぬ心は夢なれや
見てもはかなきものを思へば

現実とも思えない心は、夢なのだろうか。逢っていても、はかない物思いをするのだから。

詳細を見る

後撰和歌集 - 小野道風

限りなく思ひいり日のともにのみ
西の山辺を眺めやるかな

限りなく思い入って、沈む入り日とともに、ただ西の山のあたりを、はるかに眺めやることだ。

詳細を見る

後撰和歌集 - 藤原忠房

君が名の立つにとがなき身なりせば
おほよそ人になして見ましや

あなたの浮き名が立っても咎められない身であったなら、私をありふれた人のように扱うことがあっただろうか。

詳細を見る