古典和歌stream

後撰和歌集 - 伊勢

日を経ても影に見ゆるは玉かづら
つらきながらも絶えぬなりけり

日を経てもあなたの面影に見えるのは、玉かずらのつるが絶えないように、つらいながらも思いが絶えないからなのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

高砂の松を緑と見しことは
下の紅葉を知らぬなりけり

高砂の松をいつも変わらない緑と見ていたのは、その下で色づいている紅葉を知らなかったからなのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

時分かぬ松の緑も限りなき
おもひにはなほ色や燃ゆらん

季節を区別せず常に緑の松であっても、限りない思いの火には、やはりその色が燃え立つのだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

水鳥のはかなきあとに年を経て
通ふばかりのえにこそありけれ

水鳥が残すはかない足跡のような、はかない筆跡の手紙だけで年を過ごし、ただ文が行き来するばかりの縁であったのだ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

波の上にあとやは見ゆる水鳥の
うきて経ぬらん年は数かは

波の上に水鳥の足跡が見えるだろうか、見えはしない。水鳥が浮いて過ごすように、つらい思いで過ごしてきた年月など、数のうちに入るだろうか。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

流れ寄る瀬々の白波浅ければ
とまるいな舟かへるなるべし

流れ寄せる瀬々の白波が浅いので、とどまるはずの稲舟も引き返していくのだろう。あなたの思いが浅いので、私の心も引き返すのだろう。

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後撰和歌集 - 藤原定方

最上川深きにもあへずいな舟の
心軽くもかへるなるかな

最上川の深さにも堪えきれずに稲舟が引き返すように、私の深い思いにも応えず、あなたの心は軽々しくも返っていくのだなあ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

花すすきほに出づることもなきものを
まだき吹きぬるあきの風かな

花すすきが穂を出すように、恋を表に出すこともまだないのに、早くも吹いてしまった秋風、あなたの飽きの風であることよ。

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後撰和歌集 - 平中興女

また去りし秋は来ぬれど見し人の
心はよそになりもゆくかな

一度去った秋はまためぐって来たけれど、親しく逢った人の心は、よそよそしく遠ざかっていくことだ。

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後撰和歌集 - 源是茂

君を思ふ心長さは秋の夜に
いづれまさると空に知らなん

あなたを思う私の心の長さは、秋の夜の長さとどちらがまさっているか、空に知ってほしい。

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後撰和歌集 - 坂上常景

鏡山あけて来つれば秋霧の
けさやたつらんあふみてふ名は

鏡山の鏡を開けるように、夜が明けてから帰って来たので、秋霧が立つように、今朝は「近江」という名、逢う身だといううわさが立っているだろうか。

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後撰和歌集 - 平希世

枝もなく人に折らるる女郎花
ねをだに残せ植ゑし我がため

枝も残さず人に手折られてしまう女郎花よ、せめて根だけでも残しておけ。お前を植えた私のために。

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後撰和歌集 - 藤原成国

秋の田のかりそめ臥しもしてけるか
いたづらいねを何につままし

秋の田を刈るように、かりそめの仮寝もしてしまったことだ。むなしく寝たこの寝を、稲を積むように、何に積んだらよいのだろう。

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後撰和歌集 - 中務

秋風の吹くにつけても訪はぬかな
荻の葉ならば音はしてまし

秋風が吹くにつけても、あなたは訪れてくれないことだ。荻の葉であったなら、風に吹かれて音ぐらいはたてるだろうに。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

君見ずて幾世経ぬらん年月の
経るとともにも落つる涙か

あなたに逢わないで、どれほど長い年月を過ごしたことだろう。年月が経つのとともに、こぼれ落ちる涙であることよ。

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後撰和歌集 - よみ人しらず

なかなかに思ひかけては唐衣
身になれぬをぞうらむべらなる

なまじ思いをかけてしまったので、唐衣が身になじまないように、あなたと親しくなれないことを、裏のある衣のように恨むようだ。

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