- 表題
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- 千載和歌集
千載和歌集 - 待賢門院安芸
磯馴木のそなれそなれて伏す苔の
まほならずとも逢ひ見てしかな
潮風に慣れきって地に伏す磯馴木に生える苔のように、たとえ十分なかたちでなくとも、あなたと逢って契りを結びたいものだ。
千載和歌集 - 皇嘉門院別当
難波江の葦のかりねのひとよゆゑ
みをつくしてや恋ひわたるべき
難波の入り江の葦の刈り根の一節のように短い、旅の仮寝のたった一夜のために、澪標のように身を尽くして、私はこれからずっと恋し続けなければならないのだろうか。
千載和歌集 - 藤原隆信
君やそれありしつらさは誰なれば
恨みけるさへ今は悔しき
あなたが、あのつれなかった人なのだろうか。これまでのつれなさは誰のものだったというので、恨んでいたことまでもが、今は悔やまれる。
千載和歌集 - 藤原親隆
潮垂るる伊勢をの海人の袖だにも
干すなる暇はありとこそ聞け
潮水に濡れてしずくを垂らす伊勢の海人の袖でさえも、干す暇はあると聞いている。それなのに、涙に濡れる私の袖は干す暇もない。